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不意に胸を揉んでもシリアス顔すれば深読みされて許される説の提唱

「……あぁ、揉める。きみがシリアスに振る舞って意味深な空気を醸し出せば出すほど、その確率は上昇し続ける。きみたちは仮にも半年間何度も死線をくぐり抜け、苦楽を共にした仲なんだろう? 彼女らの様子を加味しても間宮への”情”は少なからずあるはずだ」


 そうだろうか。

 いや、そうかもしれない。

 俺の親友は女装写真をSNSにあげて男を引っかけて弄ぶ性悪クソゴミ人間だが、人を見る目は確かなのだ。


「触れてくるに足る大きな理由があって、それには自分の献身が必要なのだとか触らせなければきみの身が危ないだとか、そういった思い込みをさせる空気感を出せればそれでいい。罪悪感は何よりも強い武器になる」

「……いいのか。俺はまだあの栄光(爆乳)を掴むために……戦ってもいいのか?」

「あぁ、いいんだ。……ていうか、寧ろそうしないといけないんだぞ」


 な、なにっ。

 俺が胸を揉まなければいけない理由だと。

 

「間宮。きみ、やりたいことを我慢する際の自分への言い訳は上手なくせに、結局直前になって『やっぱり諦められない』って開き直るタイプだろ」

「ど、どうして急にそんなひどいことを言うんだ」

「いや、だって前期の試験のときは勉強がんばる!って気合い入れてたくせに、前日になって『ノート写させてくれ』って懇願しにきたじゃないか。つまりそういうことだよ」

「…………」


 ぐうの音も出なかった。

 こまった、ちょっと勝てない。


「どうせ我慢しててもこの世界を脱出する直前になって『やっぱり揉みたい』ってワガママ言うに決まってる。だからきみに必要なのはこの世界における未練を綺麗サッパリなくすことなんだ」

「なるほど。──つまり、おっぱいを揉めばいいってことだな?」

「あぁ。当初の予定通りに、ね」


 そうか、なるほど。

 目標が明確化されて助かった。俺一人じゃ今夜の逃走ルートを考えるので手一杯だったからな。

 やっぱりお前がいてくれてよかったぜ、相棒。


「間宮……彼女らのおっぱいを揉むのに確実な方法はない。だからこそ僕たちで検証しよう」

「もちろんだ。俺たちの手で検証し、証明して見せる。──不意に胸を揉んでもシリアス顔すれば深読みされて許される説をッ!」


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