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73 焼野しんのすけ

「あーあ、結局無理だったなぁ。どうしようか」


 俺たちは盗賊たちをふっとばした。

 結局最後のすごそうなやつを倒したあとしばらく村を見て回ったが、生き残りらしき人間はいなかった。全員死んだのか、はたまた逃げ出してしまったのか。その真相は誰にも分からない。


「すまねぇ、俺が毎度毎度」


 おじさんが申し訳無さそうにしている。


「だいじょぶだいじょぶ、次を目指していこうよ」


 と言いながらも、俺は内心迷っていた。

 いつまでもこんな依り代探しの旅なんてしてたところでなんの意味があるのかわからない。そもそもなんでこんなことをしているのだろう。どこかで間違ったか? 何をしているんだ俺は。


「はっ!」


 駄目だ、そんなことを考えていたら。

 俺はおじさんを助ける。そう。その心でやってたんだろ。何をめげてるんだ。頑張るんだ俺。がんばだぞ。


「よし、もうこんなところにはいられない。とにかく早く街にいこう」


 そうだ、街にいけば大量の人間がいる。そいつらをひたすら利用すれば、きっとおじさんの依り代も見つかるはずだ。そうだとっとと依り代を見つけてしまおう。


「そうだな、あれ? でも御者のやつがいなくないか?」


 な、なんだって!?


 そう言われ、周りを見てみると、なんと御者のやつがいなくなっていた。

 あ、あいつ逃げやがったな!? これは一大事件だ。絶対に見つけ出さないと、これはもうやばすぎる。もし見つけられなければ、俺たちの件を他の人にバラされてしまう。いやだー!


「ぜ、絶対さがそう!」


「でもどうやって探すんだ!?」


 そ、それはそうだ。探す方法が全然わかんない。

 どうすればいいんだ。こうなったらもうクルクルこの場を回るしかないのか? いや、それは普通に最悪だ。


「くっそー! こうなったら全部を滅ぼしてやる!」


 俺は全身に力をみなぎらせた。

 終わらせてやる。俺を怒らせたことを後悔させてやる!


「おじさん! 俺に捕まって!」


「え?」


 そう言いながらも、大人しく俺に捕まるおじさん。


「おりゃあああああああああああ!!」


 俺はためていた力を開放した。

 一気に開放。全開放。


 もうそれは凄いことになった。

 俺の炎が超ハイパー大爆発を起こしたのだ。


 炎がすごい速度で燃え広がり、なんだかもう分からないことになっている。もう核兵器なんじゃないかってくらいにはなってるんじゃないか。そこまではないが、もう凄いことになっているのは、とにかく間違いないのだ。


 炎はしばらく燃え広がるかと思えたが、そんなくとはなく、ある瞬間に一瞬で鎮火した。俺が炎を吸収したのだ。いつまでも燃えてても鬱陶しいからな。


「よし、これで御者も死んだだろう!」


「やりすぎだ!」


 おじさんにつっこまれてしまった。

 あーあ、おじさんにつっこまれるとかいよいよ終わりだな。もうおじさんに全部を授けるしかないな。


「だってこっちの方が早いだろ? 流石にそんなに遠くには逃げれないだろうし、これだけ広範囲で逃れてるってことはないだろう」


「そりゃそうかもしれんが流石にやりすぎだろうが……」


 えー、なんかあんまり歓迎されてないのか? 結構いいアイデアなのかと思ったんだけどな。そんなに呆れ顔されたらちょっとどうかなっちゃいそうだわ。あーあ、いっそのこと崖から飛び降りて自殺しようかな。いや、それはよくないな。自殺なんかしたところでなんにもなんないし、もしそれをするというのであればもっと大々的にリスキーなことをかましてから死ぬわ。


「まぁこれで御者問題は片付いただろう」


「はぁ、相変わらずめちゃくちゃだな」


「すっきりいい気分だな。これはもう気持ち良すぎるな」


「でも御者がいなくなったことで移動面はどうすんだ?」


 あ、やべ。移動のこと一切考えてなかったわ。

 どうしよう、御者がいないと何もできないじゃん。もう終わった。よりによって村人とか盗賊らもみんなやっちゃったし、手段がまるで残されてないや。


「どうしよう、困ったな。こうなったら逃げ出した者がいることにかけて周囲を探索してみるか」


「あんちゃんがたった今焼け野原にしたばっかりだと思うが」


「くそ! 一分前の俺くたばれ!」


 なんてことだ、唯一の希望が絶たれてしまった……


「もうあれだったらさ、おじさんが馬になってよ。それにまたがっていくからさ」


「無理に決まってるだろ。まぁ確かに街道は走ってるから道なりに進めばいちおう着くには着くかもしれないけどな」


「……待って、今おじさんなんて言った?」


「え? いや、だから街道は」


「そうだ! ひらめいたあああ!!」


 そうだよ、道は走ってる。だから目的地までは迷うことはないはずだ。道を真っ直ぐいけば流石にどこかしらの街には着くだろう。これまでだってずっと道を道なりに走ってただけだったし。


「となれば、こうだろ!」


 俺は足に爆発力をためた。

 大丈夫、俺ならやれる。

 道に沿っていけばいいのなら、その時間を大幅に短縮できる方法はある!


「とりゃあああああ!!」


 俺は大ジャンプをかました。

 ジャンプの瞬間に、大砲のように足元を爆発させ、推進力を得る。


 俺はジェット機さながらのスピードで飛び出し、宙に躍り出た。


 ああ、きもちー、これだよこれ。これで街までひとっとびできる。

 この移動手段をもっと早く思いついてればなぁ。はぁまぁでも思いついただけいいか。俺天才。




 その後俺はおじさんを置いてきてしまうという最大のミスに気が付いた。

 あと街道の方向もろくに確かめずに飛んだので、道とはあらぬ方向に飛んでいってしまった。

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