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72 ぬめぬめー

 俺はとりあえずイケメンの首を飛ばした。

 まぁなにか決め台詞的なものを言っても良かったのかもしれないが、どうせ殺すのなら一緒かなと思い、不可避の速攻を仕掛けたのだ。


「なに!?」


 残りの冒険者達が突然の事態に驚愕していた。

 それはそうだろうな。


「おりゃ、おりゃ、おりゃ!」


 俺は残りの冒険者たちの首も、ムチで次々と撥ねて、終わらせた。

 冒険者というのもそこまでの戦闘力はないようだった。

 なんだ、なにか特殊な力みたいなものを用意してるのかもとほんの僅かに期待していたのに……まぁ本当にほんの少しなので、こうなることを大方のところ予想はしていたのだが。なんならもう少し待ってあげてもよかったかな。どんな風に戦うのか見てみても良かったかもな。もしかしたら今後他の冒険者と戦う際の参考になったかもしれないのに。あー、今度からはもっと焦らしてみようかな。


「随分あっさりだな……」


「まぁどうせ殺すんだから一緒だよ。おじさんの依り代にするにしても若すぎるから多分だめだったと思うし」


 まぁ試せるだけ試しても良かったのかもしれないが、もうここまでで散々試しすぎて面倒だったのでやめた。流石に疲れてきたんだよな。


「さて、盗賊共の生き残りを探すか。ちょっと見て回ってその分だけ倒したらもう街にでも行っちゃおう」


「わかった」


 ということで俺たちはぐるりと街道村を回ってみた。

 いたるところに肉塊が転がっていて、そのことごとくから生命が抜け落ちていた。


 軽く二十分ほど見て回ったところ、生き残りが三人ほど見つかった。


「ああ? なんだてめぇら」


 そいつらは古びた少し大きめの建物の中にいて、おじさんと年齢が近そうだった。

 なんだろう、ちょっとガタイが大きくて強そうだ。


「僕たちはこの村を潰している盗賊どもを潰して回っているものです。あなた方はその盗賊の一味なのでしょうか?」


「ああん?」


 男たちは見るからにキレていた。


「はぁ、でたでた。正義気取りのしょうもねぇやつらがよ」


 男たちのうち二人が立ち上がり、離れた位置から俺たちを見下ろしてくる。


「俺たちの邪魔をするもんはいかなるやつでも許さねぇ」


「拷問してあげるから、ちょっとまっててね」


 そんなことを言いながら、男たちはダッシュでこちらに走ってきた。

 なるほど、確かに凄い速さだ。

 常人なら消えたように見えるかもしれないな。



 ガコ。



 俺は太いムチで男たちを地面に叩き落とした。

 ゴムボールのように、いい加減な体制で地面をバウンドする男ふたり。

 絶対体のどこかを痛めただろうな。かわいそうに。


 男たちは、転がった先で動けなくなっていた。

 流石に衝撃が強すぎたかな。耐えられなかったようだ。


「たぶん死んでないだろうからおじさん行ってきていいよ」


「えぇ!? このタイミングでか?」


「まぁあとでもいいよ。でも俺がもう一人のやつをやっているうちに終わらせておけば早いかなって。どうせ突っ立ってるだけなんでしょ」


「お、おお、まぁな」


 そうして依り代チャレンジをするおじさんを尻目に、俺は残りの男へと向き直った。


 男は驚いた顔を浮かべていたが、やがてふっと息を吐く。


「なるほどな、どうやら俺の運もここまでのようだ」


「あんたちょっと他のやつらと違うよな? 肉体は少し衰えてそうだが、所作の一つ一つに技が感じられる。無駄がないと言えばいいのか」


 そう、この男だけ少し異質なオーラを放っている気がした。

 よく見てみれば年齢は五十を超えてそうな顔立ちだったが、出で立ちが若さを保っていて三十代と言われてもおかしくないと思ってしまう。


「おまえさん、何もんだ?」


「俺か? まぁ通りすがりの者だ。最終的には世界最強を目指してるけどな」


「は、なるほど。こりゃとんでもねぇバケモンと出会っちまったみてぇだ」


「あんたがこの騒動の首謀者か? なんでこんな襲うみたいな真似してるんだ?」


「誰が正直に答えるかよ。どうせ殺すんだろ。やれや」


 男は余裕の笑みを浮かべ、俺を見下すような視線を送ってくる。

 どうやら腹はくくっているようだ。


「まぁちょっと気になったってだけだから別に知れないなら知れないでいいんだけど……」


 これ以上何を言っても何も教えてくれなさそうなので、俺はムチを伸ばし、触手のように男の首元を絞める。

 男はうっうっ、と見えない触手に抵抗する素振りを見せていたが、その努力虚しく、やがて締め落ちた。窒息しただけだろうから、まだ死んではいないだろう。だが当然もう死んだようなものだった。


「駄目だった……」


 おじさんがこちらに戻ってきた。


「じゃああっちの男にもチャレンジしてみて、一応まだ死んでないはずだから」


「おう!」


 その後おじさんが男にチャレンジし、案の定失敗していた。

 本人いわく、今までで一番惜しかったということらしい。

 これ本当に意味あるのかな。なんだか先が見えなさすぎてどうにも無理な気がしてきたんですが。一生掛かっても無理とかいうのなら、本当に意味のない行為になるぞ。

 まぁのんびりやっていくしかないのかな。


 結局最後に出会った人間としてはその男らが最後だった。

 


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