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71 鹿が壁から出てるの怖いよねー

 街道村にて、盗賊らを殲滅していたところ、とあるグループに遭遇した。

 彼らは冒険者パーティーを名乗っていた。


 冒険者……聞いたことあるな。ちょっと忘れたけど、誰かがどこかでそんなワードを言っていたような気がする。まぁなんだっていいか。


「君たちは何をしていたの? さっき魔法を撃ってたみたいだけど」


 シンプルに気になり聞いてみた。


「ちょうど通りすがったんだよ。クザウの街に帰る途中だったんだけど、なにやら騒ぎになっているぽかったから」


 イケメンがそんな風に答えた。

 なるほど、どうやらこの人たちも俺たちとおんなじ感じだったのかな。たまたま通りかかっただけということか。


「でも騒ぎになっているからって言って、人に魔法なんて撃つかな普通? 人殺しにならない?」


 俺は自分を棚に上げ聞いてみた。


「襲われたのよ。そんな輩は問答無用で悪党確定ってわけ」


 女が答えた。服装的にこの人が魔法使いなのだろう。


「そうだったんだ。まぁあながち間違ってないと思いますよ。この人達はこの村を襲っているっぽいですから」


「ああ、やっぱりそうだったんだ。そうなると君たちも巻き込まれた感じなのかな?」


 イケメンが聞いてくる。


「まぁそんなところですよ。流石に襲われてるというのなら助けてあげたいですしね。でももう被害はすごそうですけど」


 適当に普通の人っぽい感じを装うことにした。


「まぁそうだね……でもまさかこんな大規模な襲撃があるだなんて思わなかったなぁ。これには国もいろいろ考えざるを得ないんじゃないかな」


「それはそうでごんすな。これが続くようであれば、街道村は機能しなくなるでごんす」


 もう一人の男がおちゃらけた感じで答えた。なんだこいつ。


「まぁでも仲間がいてホッとしたよ。君たちもひょっとして冒険者だったり? この状況をしのげるってことはそれなりの猛者とお見受けするけど」


 イケメンが再び聞いてきた。


「いや、冒険者とかではないな。俺たちは普通に旅をしているんだ」


「そうだったんですか」


「そんなことはどうだっていいわよ。とにかくこの状況でしょ? どうすんのこれ」


 女が周りを見ながら不満っぽく言葉を漏らす。


「まぁ正論でいけば、村の人達をちょっとでも救えるような行動を取るべきなんだろうけど……正直得はないから働き損にはなるね。こんなことをいうのも人としてどうかとは思うけど」


「リーダーはなにも間違ってないでごんす。冒険者は何も正義の味方ではない、提示された依頼に対しそれをしっかり達成することで報酬を得る。言ってしまえばただの雇われの身でやんすから」


「そのとおりよ。私たちは命を賭けてる。その賭け方を私達が決めて何が悪いっていうのよ。誰が文句をいうのかしら」


 冒険者パーティーの面々は口々に思いを述べる。

 どうやら案外ドライな考え方をしているようだ。

 俺たちはどうしようかな。

 元々は親玉でも探そうかな的な感じだったけど、なんかちょっと冷めちゃったな。

 これだけ殺して回れば流石に異変に気づいているかもしれないし、逃げられちゃってるかもな。


「おじさん、ちょっといい?」


「ああ? なんだ?」


 おじさんをちょっと離れた場所に誘導する。


「これどうしようか。元々は親玉を探そう的な感じだったと思うけど、最終目標としてはおじさんの依代を探す感じだよね?」


「まぁそうだな。まぁ俺はお前さんに付いていくだけだ。お前が半殺しにしたやつに俺がのっとりを試みる。それだけのことだからな」


 ま、たしかにそれだけのことか。

 となれば目の前の冒険者パーティーの方々も依り代として試してみるか? 俺たちの本質はバレてなさそうだから放っておいても問題はなさそうだけど、依り代としてどうなのかというところは確認しておきたいところではある。まぁ若いから多分無理な気はするけどな。


「まぁもう適当にサクッと見て回るとしよう。適当に親玉を探していなかったらとっとと街にいこう。その方が効率がいいと思うし」


「あいつらはどうするんだ……?」


 おじさんは冒険者パーティーを横目に見ながらひっそり目に尋ねてくる。


「変に絡まれても面倒だから適当に殺すよ。おじさんが人に入っていくところを見られでもしたら怪しまれるでしょ?」


「まぁお前さんがそうしたいのなら一向に構わないとは思うが」


「よし、じゃあ決まりだ」


 俺は冒険者パーティーの方々に向き直った。


「あの、申し訳ないんですが」


「ん、なんだい? 僕らも話し合ったんだけど、これ以上この件に首を突っ込むのは止めにすることにするよ」


「そうなんだ。俺たちも話し合ったんだけど、君たちを殺すことにしたよ」


「……え?」


 空気感が変化した気がした。

 俺へ向けられる視線が、一気に変なものを見る目に変わる。


「まぁ実は俺たちはとある目的のために動いていてね。そこに君たちがいるのは邪魔なんだよ」


「え、えーと、一体何を言って」


 シュン。


 イケメンの首が飛んだ。

 うーん、もしかするとこれだけの顔立ちなら、生首をコレクションとして欲しがるもの好きもいるかもしれないな。俺は固くごめんだけども。

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