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70 スターマイン

 おいおい、もうかなりの人数倒してるだろ?

 人間がいくらでも湧いてくるんだが。

 まぁいずれにせよ俺たちがやることこはこの村の殲滅だ。生かしておいても変にチクられたりするかもしれないので、口封じもかねてすべてを闇に葬っておくのが賢いやり口というものだろう。まぁ仮にチクられたところで足はそうそうつかないだろうから、絶対条件ってわけではないと思うがな。


「悲鳴もだいぶ減ってきちゃったね。これが最後くらいなのかな」


 質素な平屋の中で荒ぶっていた男三人組を殺したところで、俺は疑問を呈する。

 勿論この場には俺とおじさんと御者の三人が揃っている。


「どうだかな。でもざっと見回ってみるしか確認する方法ねぇんじゃねえか?」


「まぁそうなのかな。リーダー格でもいればそいつに聞くのが早いとは思うんだけど……」


 よくよく考えれば、元々何をもってミッションコンプリートとするか怪しいところではあった。最後の一人と思って殺したところで、もしかしたら別のところに生き残りがいる可能性は常につきまとい確実に最後だという確証を得ることはどう考えても無理な話だからだ。何か索敵の能力なんかがあれば話は別だろうが、当然この場にそんな便利な代物もっている者はいない。御者の人が急に覚醒して万能魔法使いになるとかでなければ不可能だろう。


「リーダー格か……そんなやつ見かけたかね」


「さぁ。そんな雰囲気の人はいなそうだったけどな、みんなどこか自堕落でなよなよしてて計画性もなさそうだったし」


 リーダー格ということは計画を立てる立場にもあるということだ。それなりの知性というか懐の深さはあるのではないかと予想しているのだが、もしかすると買いかぶりすぎか?


「まぁとりあえずさっと全部回ってみよう」


「そうだな」


 バーン!


 おじさんがそう返事をした瞬間だった。

 突如近場で爆発音のようなものが鳴り響いた。


「え?」


「な、なんでぇ!?」


 なんの前触れもなく聞こえてきた。

 割と近い……? 俺たちを狙っての攻撃ではないよな、それにしては離れすぎてる。一体何が……いや、知ってる。俺はこの音に聞き覚えがある。嫌というほど、俺が耳にしてきた俺の名刺代わりでもある音……


「炎魔法……」


「は……?」


 絶対そうだ。この爆ぜ方。独特の響き、広がり。

 間違いない、これは魔法が放たれた直後の余韻だ。


「魔法だよ、誰かが近くで魔法をはなったんだ」


「まじかよ、魔法なんてそうそう見る代物じゃ……ど、どうすんだ?」


「とにかく行ってみよう。様子を確認するんだ」


 そう思い、俺たちは今いる家屋を飛び出し、音の発生源へと駆け足で赴いた。

 するとそこに広がっているのは、燃える何かと、数人の人影だった。


「な、なんだ?」


 おじさんも訳がわからなそうにしている。

 かくゆう俺もそうだ。

 よく観察してみれば、燃える何は複数人の人だということが分かる。灼熱の炎にとらわれていて、最初はジタバタあがいていたようだったが、今では火をあおる薪の役割をするだけとなっている。俺が親の顔よりよく見た光景だ。夜に染まりつつあるというのもあり、キャンプファイヤーみたいだなとなんとなく思う。そしてそこから少し離れた場所に立つ人物たちは四人。軽装に身を包んだ、男二人、女二人の人間たちだ。


「誰だろう……」


 分からない、だが全員がまだ若そうな見た目をしている。遠目だからよくは分からないが、俺の同い年くらいの女もいるんじゃないか? はぁ、最悪だ。俺が一番嫌いとする人種たちだ。リア充軍団か? いや、嫌いというか正確には興味ないという方が正しいのかもしれないが。やっぱり女は老いてるに限る。


「なんだぁ……? あいつらも盗賊か?」


「分からない。話しかけてみるしかないね」


 そう思った俺は手を振りながら彼らに近づいていった。


「おーい!」


「少し止まってくれないか?」


 俺が近づいていると、相手も俺たちのことに気付いていたのかそんな言葉を投げかけてくる。

 俺は大人しく静止した。


「いや、すまない、多分違うとは思うのだが、一応確認しておきたいと思ってね。えっと、君たちはこの村の住人、ってことでいいかな?」


 声を掛けてきたのは、先頭にいる二十代前半くらいの優男だ。かなりイケメンで、しっかりしている雰囲気がある。背中には斧を装備していて、右足の引き方からしてもいつでもそれを展開できる用意をしていることがわかる。

 村の住人……? どういった類の質問だろうか。それを確認したところでどうなるかという予測がイマイチたたなかったが、まぁ嘘をつく必要もなさそうな気がしたので素直に答えることとする。


「住人? いえ、僕らは通りかかっただけですよ。何やら物音が凄かったので、どういう状況なのかと思いまして」


「そう、か。では君たちはこの盗賊たちのお仲間というわけではないということだね?」


「はい。そうですね、そうなります」


 それを聞くやいなや、一行の緊張感が僅かに弛緩した気がした。


「いえ、すみません、少し疑ってしまいまして……見た感じそんなことをしそうな方々とは思えなかったのでたぶん大丈夫だとは思っていたのですが」


「あなたたちは?」


 俺は直球で質問した。


「ああ、我々も通りすがりのものというか……Dランク冒険者パーティー『花のかんざし』です」


 ……冒険者パーティー?

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