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56 ツチニン

「じゃあ当分の間よろしく。ちょっとでも役に立てるように頑張るから」


 俺はおじさんの復讐劇に協力してあげることにした。

 頼まれたからとかではなく、俺が個人的に手伝いたいと思ったからだ。


「もちろん助かるが……本当にいいのか?」


 現実味が湧かないのか、再度確認してくるおじさん。


「うん、さっきも言ったけど、俺が決めたことだから。嫌なら無理にとは言わないけど」


「いや! ぜひ頼む! 俺はウルドってんだ。おまえさんの名前は?」


「俺か? 俺はチューエイだ」


「そうか、チューエイ、どうか俺たちに力を貸して欲しい。勿論タダでとは言えわねぇ、俺も何か手伝えることがあれば可能な限り協力するからよ」


 頭を下げてくるおじさん。意外と礼儀正しいんだな、粗雑な印象だったけど。


 ということで、おじさんが仲間になった。




「じゃあ一応聞くけど最終目的はおじさんの村を襲った盗賊たちの討伐ってことでいいの?」


 俺は宙に浮かぶおじさんに問いかけた。


「あ、ああ、そうなる。俺の手で、あいつらに地獄を見せる」


「因みにその盗賊たちの住処とかは分かってるの?」


「いや、それが俺も大分探してるんだがな……今のところは掴めてねぇ」


「じゃあまずは情報収集からか。街とかで聞いて回ればいいのかな」


「お言葉だがそれは厳しいんだあんちゃん……実は俺もその手のやり口はだいたい試したんだが、盗賊っつう生き物は基本街には接触しない。ヘタに暴れて目につくと討伐対象に上がる可能性があるからな。だからあいつらは国の管理が甘いグレーゾーン……外れの集落や村なんかを狙うんだ。そこの集落を全滅させればそれが人間の仕業か魔物の仕業かなんて判別つかねぇし、集落一個くらい無くなったところで、上からしたら何も困らないからな」


「なるほど……」


 俺が触れたことのあるファンタジー作品なんかでもよく盗賊は登場するが、大体はかませ役的なイメージなんだよな。具体的な習性とかまでは詳しく分からない。それも勉強していく必要があるのだろうか。


「確かに人間なんだから野生動物なんかよりよほど狡猾か。でもだったら情報を得る手段って結構限られてくることない? 虱潰しに探すとか、まぁ村なんかを回って目撃情報を聞くとかくらいになるのかなぁ。おじさんの村があった場所近辺からあたっていくくらいしかやりようがない気がするんだけど、それも五年前なんだっけ?」


「ああ、正確には五年と半分くらいだな。そこから半年掛けて盗賊たちの後を追い、決戦を仕掛け返り討ちで死んだのが五年前くらいだ」


「返り討ちっていうのは完璧に負けたの?」


「まぁそれなりに一太刀入れたつもりではあったんだがなぁ。結局頭領がバケモノみたいに強くてそいつには勝てなかった……足はもいだが頭は潰せずってところか、ちっ、あの奇襲で気づかれたのがな……」


「ふーん、その頭領って人が強いんだ」


 強者を求めている俺からすれば、その人物も制覇しておくべきなのかもしれない。


「だがそれも五年前だ。今やつがどこにいるのか、どうなっているのかは本当に分からない状態だ」


「はぁ、まぁ結局は虱潰しってことだよね。ていうかおじさんはこれまでどうやって探してたの? 手がかりとかがあったり?」


「いや、探す探さないもそうなんだが、そもそもそれ以前の問題が山積みっつうか……さっきも言ったが、俺の母体となる肉体を探さないと思うように現世に干渉できねんだ。しかもそれ以前に生命力をコンスタントに吸収していかないと霊体の維持もままならなくてだな……」


 バツが悪そうに話すおじさん。

 自分でも課題の多さにうんざりしていそうだった。


「そんなこと言ってたな。要するに復讐を実行しようにも肉体を手に入れないと話にならないってことだよね。そしてそれとは別に霊として生きていくために生命エネルギー的なのがいるんだね」


「ああ、たださっきお前さんを殺すために実体化した影響でエネルギーを割いちまったから、結構欠乏気味でな……あれ、なんか意識しだすと急にめまいが……」


 ふらふらと地面に倒れ込んでしまうおじさん。


「何してるの? 難儀な体だね」


「す、すまねぇ……一応ちょっとは動けるとは思う……なんの、これしきいいいい」


 おじさんは精一杯起き上がっていた。

 はぁ、まずはおじさんのガソリン補充が最優先っぽいな。まともに動けないんじゃ話にならないぞ。


「生命力っていうのは生きてる生物だったらいいの?」


「そうだな、よほど素早いとかではなければ、問題なく吸い取れる」


「じゃあ動物とかでも」


「ああ、吸い取るのはできる限り人間の方がいい。その辺の魔物と比べて生命力が段違いなんだ。弱い魔物じゃほとんど取れないに等しい」


 そうなのか、だったら人間を見つけてこないとな。あれ? なんだったら俺がここにいるじゃん。俺の生命力も吸い取れるというのなら分けてあげてもいいんじゃ……でももしかしたら俺の生命活動に支障がでたりする可能性もあるのか? それに生命力って簡単に吸い取られるようなものじゃない気がするし知らないけど……。その辺がどうなのか聞いてみるか? いや、どちらにせよ吸い取らせるのは気持ち悪いから他の人間を調達してくるとしよう。

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