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着替えて戻ってきたクロードは、何故か化粧はおとさず、戦うための戦闘服を着用していた。まるで女性が男ものを着ているかのように見える。
「お前・・・まだふざけているのか」
兄はクロードを見て、眉間に皺をよせて睨みつけた。
「着飾るためのドレスから、真剣に戦うための服に着替えてきたんですよ?ふざけてなんていません。ちゃんと髪飾りも外してきましたしね」
髪をさらりとさせる姿は男性には見えなかった・・・。
「・・・化粧をしたままだぞ」
兄はクロードに指摘する。
「知っていますよ?おとす時間がなかったんです。お待たせしないように急いで来ましたから」
クロードはにっこりと笑った後、ルビルを見てきた。なんだか先程と同様・・・お姉様な表情だった。
きっとクロードの行動はわざとなのだろう・・・。目が楽しそうに笑っていたから・・・。
兄は面白くないようで、顔に青筋をたてている。
「いいだろう・・・ふざけた姿のまま、無様に倒れろ」
兄はかなりご機嫌が悪いようだ。
「それはどうでしょう・・・まずは俺の攻撃を受けてから言ってくださいね」
クロードは剣を構えた。凛々しい麗人の姿にルビルはなんだか見惚れてしま後ろ。
「へらず口が・・・ッ、女みたいなお前に妹をやれるかッ」
兄は憎しみがこもっているように吐き捨て、切り掛かっていった。やはり兄は昔の事も根に持っていたようだ・・・。
兄とクロードの戦いはかなり白熱していた。兄は最初から飛ばしすぎている気がしたが、クロードはそんな兄の攻撃をよみ、軽くわかしていた。
かわした後のドヤ顔がただの麗人に見えて仕方がない・・・。
クロードがルビルの視線に気づき、此方に笑みを浮かべてきた。勝負の最中によそ見とは・・・随分と余裕そうである。だが、よそ見をしたそんな彼の隙をついて、兄は勝負にでてきた。
クロードの懐に目掛けて、鋭い一撃を仕掛けたのだ。だが、クロードは読み通りなのか、隙を見せたつもりで、兄を誘い込んでいただけのようで、タイミングよく兄の剣を弾き飛ばしていた。
「勝負あり・・・ですね」
母が勝敗を言いわたし、兄はルビルのもとにきて、すまないと言った。別に謝らなくてもいい・・・これは全て母にはかられてのことなのだからと思った。
その後にクロードがルビルの元に来て跪いてきた。
「これで、条件は揃ったかな?・・・俺に、君の婚約者になる資格を与えてもらえますか?」
麗人が求婚しているようにしかみえず、ときめきよりも、また笑いそうになった。
母は此方を楽しげに見ている。その他の兄も複雑な顔をしているが、静かにルビルの返事をまっていた。
「そうね・・・。お姉様が欲しかったのは事実だし、いいわ・・・貴方と婚約しても、ふふッ。その顔じゃ締まらないけどね」
やはり今のクロードでは、こらえていた笑いがもれてしまった。
「気にいってもらえてよかったよ」
そういうとクロードはルビルの手をとり立ち上がった。
「じぁあこれから、婚約者としての時間を過ごしに行こう」
クロードは念願が叶って、ルビルに食い気味に迫ってくる。
「ふふッその顔で?」
「失礼だな・・・。こっちじゃダメだった?こっちじゃない方がいいの?まあ、俺は君が望む姿になってあげるけど・・・」
彼はルビルが、姉が欲しいから婚約を了承したと思っているようだった。
だがルビルが了承した決定打はそこではない・・・。ルビルのために女装も厭わずに行動してくれた、彼の優しさに絆されたのだ。・・・まあ確かにドレス姿で、笑いをとって絆されたのもあるにはある。
「・・・だって、婚約者としてなんでしょ?それじゃ婚約者には見えないじゃない。それに、笑いを堪えるのが大変そうだし・・・」
ルビルは、クロードが話すたびに笑いを堪えていた。クロードはルビルが婚約者扱いをして嬉しかったのか、惚けた表情をしている。
「・・・ならすぐ着替えてくるから、今からデートに行こう」
クロードはすぐに来るからと言って、また戻って行った。今度は全力で駆けていく後ろ姿を見送った。
そして、終始笑顔で此方を見守るように見ていた母の目は、自分の目に狂いはなかった、というような目をしていた。
無事婚約したのちに、婚約ができない場合はどうしたのか聞いてみたら、ルビルを攫うか、脅してでも連れて行く気だったとサラりと言われた。因みに脅しの内容は、クロードの目に焼き付けたルビルの裸体だと言われ迫られたので、最初と同じくぶっとばすのだった。
完




