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進路

 2年生になったとはいえ、来年は受験の年だ。

 今の内から進路を決めといたほうがいいのだろうという意味なのか、進路調査票を渡された。


 学校が終わってしばらく将来について考えていたが、何も思いつかないのであきらめて帰ることにした。


「ただいま」


「おせーぞ」


「ん?この声は、、」


 嫌な予感がしつつもリビングへ向かうと、そこに中学時代の友達である佐藤浩大さとうこうたの姿がそこにあった。


「おかえり!」


 なんでこいつはこう元気なんだ、、


「なんでいるんだよ」


「ひどいないきなり、中学時代はいつも一緒にいたじゃないか!」」


「誤解を招くような言い方すな。で、何の用?」


「特に用はない!」


「部活は?」


「今日は休みだ」


「自主トレはしなくていいのか?」


「体育館が使えないんだよ」


 浩大はバドミントン部なのだ。腕前はそこそこらしい

 

「それで、なんでうちにいる」


「ここは、第2の我が家だからな」


 どういう理屈だよそれ、、


「まぁまぁ、そんな言わないで久しぶりに会いに来てくれたんだから」


「母さん帰ってきてたのかよ、」


 そういえば、玄関鍵かかってなかったな、、


「あ、そだ浩大聞きたいことがある」


「ん?なんだ?」


「進路は決めてるか?」


「どうした急に、頭でも打ったか?」


「いたって正常だ。今日進路調査票もらったんだよ」


「あーそゆこと、なんか夢とかやりたいことねーのか?」


「ないな、」


 夢があっても、叶えられるほどの力が自分にあるとは思えないしな、、


「だろうな。じゃあ、とりあえず進学って書いとけよ」


「俺が進学は厳しいだろ」


「またまたそんなこと言って、中学時代頭よかったじゃん」


「そんなことねーよ」


「謙遜するなって、」


「してねーよ」


「そうかい」


「おう」


「ま、せいぜい悩め若人よ」


「お前もまだ若いだろ」


「まな」


 こんな感じで他愛もない話をしてるうちに日が暮れた


「じゃ、俺帰るは」


「おう、またな」


 その日の夜、自室のベットに横になり、改めて自分の将来について考えてみた。


 やりたいことか、、んーないな


 あきらめて寝ようかと思った頃に早瀬さんからメッセージがきた

 いきなりすぎて、驚いたが取り合えず内容を確認してみた。


「進路調査票書いた?」


 そうきていた

 特にうそをつく理由もないので、「まだ書いてない」と返信したとこで僕は眠気に襲われ眠りについた。


 次の日の朝、まだ少し冷えるなと思いながら携帯で時間を見ようとしていると、僕はあることに気が付いた。

 早瀬さんからの折り返しのメッセージを既読をつけたままにしていたのだ。いわゆる既読スルーだ。

 僕はとりあえず謝罪の言葉と共にメッセージの返信をした。


「はぁ、」


「どした?朝からため息なんかついて、幸せが逃げるぞ」


 そう裕太が言ってきたが、

 そもそも、幸せを僕は手にできるだろうかと思った、、


「なぁ、既読スルーされたら普通怒るよな?やっぱ」


「まー傷つきはするよな」


「だよなぁ、」


「早瀬さんからのメッセージでも既読スルーしたんか?」


「な、なんでわかった?」


「やっぱ交換してたのかID」


 ヤマはりやがった、


「そうだよ、悪いか?」


「全然、というかほんとに交換したんだな」


「まだ信じてねーのかよ」


「おう、だって早瀬さんの連絡先知ってる人少ないぞ」


 そうなのか?と言おうとしたがやめた、


「やっぱ、気があるんじゃねーのか?優に」


「いや、ないだろ、同じ委員会だから聞かれたんだよ多分」


「いやいや、それはないだろ。少しは自分に自信持てよ」


「持ったところで、意味ないだろ、自惚れだったらいやじゃん」


「そうか?優はもっともっていいと思うぞ、顔は整ってる方だし、頭も俺よりはいいじゃん」


 否定しようと思ったとこでチャイムが鳴ったので、会話はそこで終わった。

 

 はぁ、ほんとにそんなことないのにな、、、






 

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