プロローグ
「なぁ、告白って男のほうからしないといけないものか?」
「普通はそうだろうな。」
「じゃあ、別にしなくてもいいよな?」
「そうだな。でも男なら、、」
その先は言わなくてもわかると思う。
僕は「男なら、、」って言われるのがそこまで好きじゃない。
理由は、ただ単に理不尽だと思うからだ。あと、正直言うなら自分に自信がない。それだけだ。
改めて自己紹介をしておこうと思う。
でも、僕からじゃない。さっき程から会話をしていた相手からだ。彼の名前は江田祐太。サッカー部に所属していて、顔はイケメン、性格も仲間想いでいいやつだ。
そして、僕の名前は奥手優。この春から高校2年生になる。僕は裕太とは違って、イケメンじゃないし、性格も良いほうではないと思っている。
「裕太は今日も部活か?」
あえて、話題を変える。
「おう、大会までそんなに余裕ないからな。」
「へー、じゃあ早く部活行きなよ」
そう今は放課後なのだ。
普通の部活動生であれば、すぐに部活に行き練習に励むのだろうが、なぜか裕太は僕とこうしてだらだらと話をしている。
「んーまだいいだろ。」
いいのかよ、
「ところでお前最近、早瀬さんと良い感じっていう噂が出てるけどほんとか?」
話題を変えやがった、まーおあいこか。
「ほんとじゃないな。」
早瀬というのは同じクラス早瀬沙織のことで、長くて黒い髪をいつも一つ結びをしている。裕太いわくこの学年で5本の指に入る美人らしい。実際僕もそう思う。
「なーんだ。」
「なんだとはなんだ。てかそもそも友達ですらないと思うぞ?多分。」
「おいおい、それはないだろ。早瀬さんがあんなに楽しそうに話してるの見たことねーぞ?」
「そうなのか?」
「おう、基本無口だからなあの人。」
確かに早瀬さんいつも一人だな、、
「奥手くん―」
そう、早瀬さんがいきなり話しかけてきた。
思わず体がビクッとする。
「今日、委員会の日だよ。みんな奥手くんを待ってる。」
やば!そういえば今日は図書委員の集まりの日だった。
「じゃ、また明日な。」
そういって、教室をでていく。
「おう。」
どうやら、裕太も部活に行くらしい
やっとか、と思いながら僕も委員会へ向かった。
その委員会が終わった後だった、早瀬さんに呼ばれたのは、