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ラグナロクRagnarφk MAGAZINE  作者: 遠藤
IMMORPG
11/33

????①

「吐いてー。吸ってー。呼吸を整えましょうね?」

「んぅっ!すーっ、はーっ!すー、はーっ!」


 お腹の痛みの波が激しい。

 その痛みがひどい時は、身体全身へと力が込められている。

 痛みが軽い時には、無理矢理、深呼吸を繰り返して、リラックスさせている。

 繰り返される痛みの波を、何時間も耐えながら。


「もうすぐ、頭が出てきますからね」

「んっ...」


 痛みを我慢しながら、必死に力を込める。

 身体が裂けそうな痛み。

 苦しい。


「はい!もう頭が出ていますよ!もう一息ですよ!」

「はぁ!はぁ!はぁっ!」


 呼吸が辛い。

 何度、痛みを乗り越えて、何度、力を込めれば良いのか?

 もう意識が、保てなくなって来ている。


「もう少しですよ。もう少しですからね」

「っ...」


 痛みが全身を駆け巡る。

 だが、先が見えて来た事で、安心させるように言葉を掛けてくれている。


「はぁ!はぁ!はぁ...っつ!!」


 お腹、お尻の痛みが引かない。

 すると、突然、頭の方で何かが弾けたように痛み出す。

 今まで以上に意識が朦朧として。


「患者の容態が急変です!先生に急いで連絡をして!」


 薄れゆく意識の中で、慌ただしく動き回る人が見える。

 何故だろう?

 気付いたら痛みを感じていなかった。

 どうなるのだろう?

 なんだか瞼が重い。


「心肺が停止!早く先生を!」


 耳から音が消えた。

 意識が薄れて行く。

 ああ。

 早く顔が見たいな。

 あなたに早く会いたいよ。

 愛しい。

 愛しいあなたに。

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