なろうのテンプレは悪いか、否か
はじめましての人も、そうではない人も、こんにちは。
十桝 孝弘です。
このエッセイを開いていただき、ありがとうございます。
結論から述べましょう。
テンプレ自体は“悪くない”です。
だから、このエッセイはテンプレを批判するものではありませんし、私自身テンプレが嫌いなわけではありません。
じゃあ、なぜこのようなエッセイを書いたのか。
最近、エッセイのランキングではテンプレについて多く書かれており、読んでみて色々と思うところがあったからです。
まず、最近はいくつかのテンプレ批判系のエッセイがジャンル別のランキング上位に乗っていました。ということは、それなりの人が今のなろうの風潮に疑問を抱いているのではないでしょうか。
にも関わらず、総合ランキングではテンプレ一色です。
これはどういうことなのか?
仮説には過ぎませんが、テンプレ作品が好きな人が同じような多くの作品にブクマや評価をしているためではないかと思います。何人かテンプレ作品を評価している人のユーザーページを見てみましたが、その傾向は強かったと感じました。
つまり、テンプレ作品を大量に読んで評価している人達がいるということです。
ここからおそらく、そういう人たちにとってテンプレ作品とは“使い捨て”なのではないかなと思います。
言い方が悪くなりましたが使い捨てと表現したのは、作品を読んだ後に思う感情が「続きを読みたい」ではなく、「さあ、次の同じような作品を読もう」という1つの作品に対しての思い入れが少ないということです。
これは、テンプレ作品を好きな人が悪いわけではありません。
同じようなテンプレ作品を大量に生みだしている“なろうの風潮が悪い”のだと思います。
なろうではテンプレしか受けないという風潮があります。
実際に、テンプレは多くの人に読んでもらえて、ブクマや評価をもらえている作品も数多いです。
そのため、評価やブクマ目当てでテンプレを書く人や、はじめはテンプレ以外の小説を書いていた人もいつしか評価やブクマを求めてテンプレを書くようになります。
その結果、同じような展開の中身の薄いテンプレ作品が大量に生み出され、総合ランキングを埋め尽くしたのではないかと思います。
もちろん、テンプレ作品の中には、設定も凝られた面白い作品はたくさんあります。でも、それ以上に、評価やブクマだけを求めたような作品も多くあるかと思います。
だから、私の言いたいことは「あなたは、あなたの作品が好きですか?」ということです。
本当にテンプレが好きで小説を書いているならば何も言うことはありません。
しかし、評価やブクマだけが欲しくてテンプレを書くのは少し待ってください。
評価やブクマがもらえないことは、すごく苦しいことです。私もよく分かります。
ですが、そこでテンプレに逃げずに、本当に好きな作品をもう一度書いてみてください。
きっと、その作品でもらった評価やブクマは価値があるものだと思います。
少しでもなろうの風潮が変わって、テンプレ以外も見られるようになるといいなと思っています。