19話 コネコネその2的な話
睡眠や食事の必要が無く、魔法で材料をその辺から調達でき、昼間に一人で物作りに打ち込めるなんてこの環境は素晴らしい!
魔法で鋼を集める事に成功した俺は、ひたすら鋼を作り、剣や盾を作っていた。作り方は簡単だった。集めた金属塊を魔法で少しずつ形を整えていき、成型していくのだ。
最初はバックラーでも作ろうと円形の金属板を作った。取っ手を付けて持ってみたが、腕に固定するベルトがないと保持がしにくい。革をナイフで切ってベルトを作り、金床とハンマー、リベット、盾に2か所穴を魔法で作る。ベルトの長さを調整して、ベルトと盾をリベットで固定すれば完成だ。
次に剣だ。ロングソードタイプの剣はあるので、片手で使える取り回しの良いカットラスやスクラマサクスのような片刃の剣を作ることにした。基本的にバックラーと同じ要領で、形を整えて最後に柄を革で巻けば完成なのだが、刃の部分が中々難しい。適当な木の枝を試し切りするが、切れ味を重視すれば刃が毀れてしまい、強度を出せば切れ味が悪くなる。試行錯誤しながら、ある程度、満足の得られる所に辿り着いた所で日が暮れていた。
チャーリー達の所へ戻ると既に起きていて旅の支度をしていた。
「見てくれよ。剣と盾を作ったんだ。」
「いないと思ったら、こんなもの作ってたのね。へぇ。中々良い出来じゃない。生前は鍛冶屋でもしていたの?」
「いや、子供のころから物作りが好きでね。魔法って便利だな。拠点が出来たら手の込んだものを色々作りたいな。」
「え?魔法で作ったのこれ?どうやって?」
「どうって、普通に魔法で地中から金属かき集めて、それを魔法で形整えていっただけだけど?」
「はぁ?魔法っていうより錬金術じゃない!そんな方法で武器作る人貴方くらいの者よ!」
レナ曰く、どうやらこの世界でも、鉄鉱石採取し製錬してインゴットを作り、鋳造や鍛造で武器を作るのが一般的らしい。炉の火力調節などで魔法を使うようだが、ほぼすべて魔法で作り出すなど非常識らしい。
そうこうしている間に、出発の準備が整い、サラスさんに定時報告を入れる。
『ご苦労様。アキトの鎧の修復が進んでいるのは良い傾向ね。こちらも襲撃の目途が立ってきたわ。実行犯の勇者リュウ・オオウチは、色々謎が多くて足取りが掴めないの。ただ、実力はかなりのものらしいわね。今のあなた達では少し荷が重そうだから。こちらは、足取りが掴め次第、他の者を回すわ。』
「と、いう事は俺らの担当はエリザベートですね。」
『ええ。エリザベート・プラブルツは、5日後にメイトール湖の別荘へ勇者ハルト・スエと護衛を引き連れて出発する。と、いう報告を受けているわ。あなた達は、そこでエリザベート・プラブルツを襲撃しなさい。』
「メイトール湖の別荘ってどこかで聞いた気がするけど。」
「私が近衛で偽装襲撃に遭った時に行く予定だった、エリザベートのお気に入りの別荘よ。」
「あぁ、それで聞いたのか。今回は偽装ではなく本当に襲われる訳ね。」
『注意すべきは、ハルト・スエと行動を共にして居る点ね。交戦が予想されるから気を引き締めていきなさい。ハルト・スエの特殊能力は火の操作に特化しているようね。それ以外は勇者としては、まだ未熟だから何とかなるでしょう。』
「成程、火か。それは周囲の酸素を奪えば何とかなるんですか?」
『異世界人の特殊能力は魔法の上位に位置するわ。あなた達の言う物理法則とやらをある程度無視して行使できるわね。でも水の魔法が効果的だから、弱体化させる程度には有効なはずよ。可能な限り対策を取っておいいた方が良いわね。』
「わかりました。場所が湖畔なので水はいくらでも用意できそうなのが救いですね。」
『やり方はあなた達に任せるわ。それと、襲撃の前にメイトール湖から北に50キロ程の場所にウェインという町があるのだけど。そこのノイブルク商会のポール・ノイブルクとコンタクトを取りなさい。彼はベラルでの取引を許可している商会の会頭よ。話は通してあるから、私の使いと言えば、すぐに対応してくれるわ。そこで、装備や必要な物資を調達すると良いわ。』
「了解しました。」
サラスさんとの通信を終えて俺達は進路をウェインへと修正し出発した。
次回更新は・・・
いつだろうorz
2019/9/16 20:45追記
台風で停電中&復旧後にPCの電源がつかないトラブル発生しました。
今日、新しいPCが届き、現在データを移行中です。更新はもうしばらくお待ちください。




