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12話 この設定途中で忘れると思う的な話

説明回です。

 急ぐ訳ではないが、旅は順調だ。俺もチャーリーも旅に慣れた。道中、チャーリーから魔術を習ったり、逆に俺が物理法則を教えたりしている。チャーリーは、日本の義務教育で習う程度の物理法則は理解し、魔法に無駄な魔力を使う必要がなくなったので、少ない魔力を有効活用し、水の確保は勿論の事、食料のウサギや鳥を自分で捕らえる事ができるようになった。基本的にバカだが、呑み込みが早く、豊富な知識で、薬や食用となる植物を見つけ出し、採取する事もあった。商人とは、2日目に遭遇する事ができ、テントと調味料を譲ってもらった。チャーリーはベラルの屋台で散財していたので、薬草類や肉と物々交換だ。


 チャーリーと言えば、数日に1度、サラスさんから預かった通信術用の水晶を使い、サラスさんへ状況報告をしている。そこで物理法則の話や、ウサギや鳥を捕らえた事を嬉しそうに話す姿は、悪態を垂れる普段とは違い、微笑ましい。俺に対しても同じ態度で接すればひっ叩かれる事も無いのに、学習の無いガキだ。


 旅路に余裕が生まれ、ゆっくりと景色を楽しむ事が出来た。この世界は興味深い。地球とは違った生態系をしており、木がアクティブに枝葉を動かし、虫や鳥を捕まえて食べていたり、巨大なダンゴ虫が通り過ぎたりと、飽きない。それらは魔物だが、俺達に襲ってきたりはしない。この国に居る魔物の大半は、魔王やその幹部達の配下である。逆に言えば、襲ってくるような奴はそうではない。殺すか、ボコって配下にするのが俺の仕事の一つだ。これまでに、そういった野良の魔物を何体か倒した。最初は配下にしようと懸命に説得をしたが、全く効果が無かった。面倒になってきたので、最初と最期に一言だけ配下にならないか、聞いてから殺した。


 魔物狩りは、旨みが多い。俺の戦闘訓練にもなるし、魂は俺の糧となる。魔物の死体も大切な資源である。動物性の魔物の肉は食べられるし、皮や魔術の触媒、道具などに加工できる部位は、剥ぎ取って商人と遭遇した際に買い取ってもらえる。そして残った部位は俺の死霊術の実験台兼、配下となるのだ。


 ここで、俺の身体について、道中、チャーリーから聞いた事をおさらいしよう。

魔王からの流刑――ではなく、命令を受けた際に、サラスさんが言っていた俺の種族がワイトであるという点だが、ワイトは、高位の霊体が死体や骸骨に憑りついた魔物の総称で、明確な意思を持って行動する。魔法の適性が高く、死霊術などを術式を用いずに魔法の様に、行使する事が出来る。対してスケルトンやグールは、死体や骸骨に低位のスピリットが憑りつき、明確な意思を持たず、周囲を彷徨い、生者を襲う存在だ。


 俺はこのワイトに分類され、自由に死霊術を行使できる。また、異世界人の魂は、魔力保有量に優れ、魔法の適正も高い。更には、世界の狭間で特殊な能力に目覚める。俺の場合、魂にダメージを与える武器の創造と魂を喰らう事が出来る。どちらもリッチの特性であるが、世界を渡った際に獲得したようだ。


 前者の能力は、熊の魂や牛頭(兄)の魂と戦った際に使用したものだ。これは一般の武器に乗せて使用する事もでき、肉体を持たない者や、物理的な防御力の高い者に対し有効打となる。


 後者は、名前の通りだ。魂を取り込む事との違いは、牛頭(弟)がそうだったように、通常、強い力を持った魂を取り込んだ場合、暴走させてしまう事がある。魂を喰らうとは、そうしたリスクが無く、徐々にだが、魂やそこに宿った記憶や力を消化吸収できるという事だ。と言っても、あまりにも強い力は、やはり危険である。世界の狭間で、少女の魂を喰らってしまった時の様に、強い感情が流れてきて、自身に何らかの影響を与える事もあるらしい。


 次に魔法と魔術の違い。そして死霊術についてだ。


 魔法とは、自然現象などを、魔力を用いて術者のイメージ通りに発現させる事だ。簡単に言えば、火や水、雷、風などを操れるのだ。効果や範囲は使用する魔力量によって違う。そしてここがポイントだが、物理を理解し、分子や原子に働きかけるように具体的なイメージをすれば、より効果的に発現させる事や、高度な操作も可能となる。旅の初日、俺がウサギに向かってナイフを投げた時の様に、引力などの応用も利く。ちなみにか○め○波や、ア○ンストラッシュは、魔力を凝縮、可視化して、イメージ通りに打ち出したものであり、魔力消費が激しすぎる。似た現象を自然現象に則って、魔法で発現した方が格段に魔力を抑えらる。具体的には、か○は○波や霊○は、光を凝縮させて、打ち出せばいいし、ア〇ンストラッシュは、空気を半月状に圧縮して対象にぶつければ良いのだ。男のロマンを追求したい人には、止めないが。これで同様の効果が十分の一程度の魔力で得られる。


 魔法に対し、魔術だが、これはシンボルとなる象形文字を魔法陣に記したり、魔術触媒を用いる事で、生物や物体に直接影響を与える術の総称だ。相応の魔力は消費するが、同じ術式を同じ様に正しく組めば、誰がやっても同一の効果が得られる。召喚や転移、呪い、傀儡術、結界、探知など、様々な分野に分類され、それぞれ研究が進められている。誰がやっても同じ効果を得られる点から、研究者達は、日夜、自分のオリジナルの術式を作り出している。非常に奥が深く、サラスさんの研究所も基本的に魔術の研究を行っているが、サラスさん個人は、魔術と魔法を組み合わせた高度な研究をしているらしい。俺が魔法の様に使える死霊術は、傀儡術に分類され、意思を持たない死体や骸骨を操る事が出来る。死霊術で操られた、骸骨はスパルトイ、死体はゾンビと呼ばれ、スケルトンやグールと区別されている。違いは、明確な目的を持たせ、術者の思い通りに行動させる事が出来る点と、スピリットの有無だ。専門家ではない一般人にとっては、どちらも同じであり、名前の違いは、方言や言語の違い程度の認識のようだ。


 死霊術を理解した俺は、倒した魔物で動物型のゾンビやスパルトイを作り出し、荷物持ちをさせている。試しに野良の魔物と戦わせてみたが、戦力としては頼りなかった。


「アキト。さっから何をボーっとしてるんだ。次の休憩所が見えてきた。あそこで一泊して、明日の早朝からは、この先にあるスベント山脈の抜け道を通る。抜け道は、野良の魔物が多いから、今日は早めに休もう。」


「うるさい。考え事をしていたんだ。それと、お前は単に休みたいだけだろう。まったく。」


 ベラルからここまで約2週間。スヴェントの森はここで終わる。山脈を越えると、人間の領域。ゲルト帝国だ。


自然に会話の中に説明入れるのって難しいですね。会話が逸れたりして結局説明したかった事入れられずに、今回まとめてぶっこみました。


次回16日22時

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