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星が綺麗な日

作者: 杠月-兎

脊髄執筆15分チャレンジの賜物

 今の僕は非常に不安定だ。


 ――そんなことを言えば、君は「何故?」と間違いなく聞いてくるだろう。

 まだ君に言えていないことが僕にはあって、こうやって毎日一緒に逢って、勉強をしている時間が幸せだという事は言ってあると思う。

 それは君も僕を見て、小さくはにかみながら「私も」と言ってくれたから分かってる。


 ――でも、僕はまだ君に言えていないことがある。

 夕暮れもとうに通り越して、月や星が見え始めている。「そろそろ帰ろっか」なんて言われて、君が僕の隣に自然と収まってくれると、ここはもしかしたら天国なのかもしれない、と思うことも少なくない。

 「月が綺麗ですね」という言葉はありふれているけれど、きっと「星が綺麗です」という意味を君は知らないだろう。


 いや、知らなくてもいい。スマートフォンで検索しようとするんじゃないよ。

 ――頼む、もう少しだけ待ってくれないか?



 彼女と別れて「また明日」なんて言っても、僕は君に思いを打ち明けられなかった。心臓がドッドッと、エンジンのような音を立てて鳴っている。


 ――僕は君が好きだ。

 毎日、会って見せる最初の笑顔も、勉強中の悩んでいる顔も、食事をしている時の幸せそうな顔も、別れ際の悲しそうな顔も。全てが愛おしいと思ってしまう。

 この時間がいつまでも続くと良いと本心から思うし、関係を壊したくないとも思うけれど。


 ――でも、僕は未来を君と一緒に歩きたい。葛藤との決着を、着けたいんだ。


 LINEの着信音が鳴った。

 送信主は君。好奇心も探究心も多い君のことだ、きっと帰ってすぐに言葉の意味を調べたんだろう。心臓がまた音を立て始めた。緊張する。


【分かってるよ。明日もこれからも、よろしくね】


 嗚呼、と僕は息を吐いた。安堵が暖かく自分を包みこんで行き、僕はベッドに横たわる。良かった。本当に良かった。

 身体が、顔が、熱い。そして今まで気を張っていたからか、とても、眠い。


 ――明日も、良い一日になりそうだ。

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