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説明される事実 その1

その呟きを聞き、正宗は恐る恐ると聞き返す。


「世界が破壊って……」

「その言葉通り。あたしたちの住む国……それ以外もすべて破壊された」

「ボク達はお父さん達。つまり親達によって逃がされた生き残りです」


予想通りであり、悲劇的なことを聞いた正宗は言葉を失う。

これは小さい時に親を亡くした自分以上に心に傷を負っていることがわかる。

小さく思い出も少なかった自分とは違うのである。


「それは……」

「慰めの言葉はいらない。今必要なのはこの世界も同じ目にあわせないことよ」

「並列世界とも言えるこの世界にもいよいよあいつらが現れたのです」

「つまり同じことが起きると?」


村雨が心乃に問いかけると、頷き返す。

すると村雨はあごに手を当てうつむく。


「そして、あたし達がこちらの世界に来た時に葉木さんに保護してもらったの」

「葉木さんはなんとボク達と同じ世界の人間の子孫だったのさ」

「子孫?」

「いやはや。どうやら世界崩壊でこちらの世界には何人かの人が飛ばされたらしいんだ。どうもそれに時間差があったらしくてね。かなり昔にこの世界にワタシの先祖は来ていたらしいんだ」


それを聞くと薙扨は突然立ち上がり葉木を指差す。


「そうなのか……」

「おや、信じてくれるのかい?」

「非現実的なことが何度も目の前で起こってるのに信用しないことはないよ」

「あり得ないことが何度も起きるとあり得ないことは真実ととなる……か」


三人は納得したように顔を合わせて頷くと葉木が話の続きを始める。


「それはさておき重要なのは創像機の話だね」


そう葉木が言うと三人の顔は葉木に集まる。


「創像機は彼女達。ご先祖様の世界に伝わるる伝承的なものだったらしい」

「伝承っすか。それがこっちの世界で現れたっすか?」

「並行世界と言うなら同じものがあっても不思議ではないわ」


薙扨の返答に薺がキッパリと答える。

その返答に薙扨は首をかしげる。


「そういうもんなんすかね?」

「そういうもんなの!」


薙扨の返答に薺は大声でキッパリと答える。

薙扨は納得しきれないが口を噛みしめつつ黙ることにした。


「創像機は創造者と想像者がそろったときに召喚することができる」

「確かおれが創造者だったっけ?」

「となるとぼくが想像者っすね」

「それって不思議なんだよねぇ~。言い伝えだと創造者と想像者は一対一の対のはずなんだよねぇ」


軽くゆるりとにこやかに笑いながら正宗に顔を近づける。

正宗はギョッとした顔で後ろにずり下がる。


「君は特別。スペシャルということになる」

「そんな二回言わなくてもわかりますよ。おれは普通じゃないんでしょう?」


正宗は頭をかきながら再び座布団の上に戻る。

葉木も後ろに引きさがる。


「そう、実に面白い……面白いよ?」


葉木は再び笑った。

正宗はそれを見て再び少し後ろに下がった。

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