表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お前たちが追放した俺は神獣テイマーだ  作者: アンティス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/5

幹部は強い

 ジェネラルスパイダーの群れに囲まれた。ここにいるのは俺とホーリーだけ。しかもギルドからはずいぶんと遠い場所。見つけるにも時間がかかる。周囲を見回す。赤い目が、無数に光っている。

 足が、震える。そんな俺の影からアルが現れる。


「キュ〜」


 不安そうに鳴く。

 俺は自分とアルに「大丈夫だ」と言い聞かせる。

 しかし――心臓の音が、うるさい。


「ホーリーさんこれってまずい状況なんじゃ……」


「俺を何だと思っている?こんなの俺にとっちゃ造作もねぇぞ」


 ホーリーが、剣を抜く。その表情に、迷いはない。

 そして——ホーリーはそう言うとジェネラルスパイダーに突っ込んでいった。次の瞬間、ホーリーの姿が消えた。


(え...!?)


 いや、消えたんじゃない。速すぎて見えないだけだ。

 それに対しジェネラルスパイダーも応戦する。

 糸を吐き、牙を剥く。

 しかし——しかしその戦いはまるで蟻と象だった。


 ジェネラルスパイダーが、次々と倒れる。一閃。また一閃。

 ホーリーの剣が、蜘蛛を斬り裂く。


(速い...!)


 50匹いた蜘蛛が、あっという間に半分になる。

 そして——数秒後。

 全ての蜘蛛が、地面に転がっていた。


「さすがホーリーさん。助かりました」


 俺は、心から言う。


(すごすぎる...)


 てかこんな人に模擬戦を誘われてたのか。よかった、反撃を食らわなくて。


 ホーリーが、剣を鞘に収める。その額には、うっすらと汗。さすがのホーリーでも数十匹の蜘蛛を相手にしていたので疲れていた。肩で息をしている。


「ホーリーさん大丈夫ですか?」

「あぁ、なんてことねぇ。疲れたがな」


 ホーリーが、笑う。


「あの、俺もホーリーさんみたいになれますかね」


 俺は、迷いながら聞く。


「当たり前だ。なんといってもお前は召喚術師だからな」

「でも召喚術師って最弱って言われてますよ?」


 自分の口から出る、その言葉。何度聞いたか分からない。


「それは誰一人として本来の力――覚醒を成し遂げられていないからだ。術師本人だけでなく召喚物もな。しかし、レン。お前は二次転職が終わっているからな。後はそのキュウビが覚醒すればようやく見習いってところだな」


 ホーリーが、俺を見る。その目は、真剣だ。

 俺の中で、何かが熱くなる。


 二次転職後にようやく見習い……じゃあいつになったら見習いから抜け出せるんだ?


「じゃあ、見習いを越すにはどうすれば……?」

「レベル300を突破だ」

「でも、レベル上限って99じゃ……?」


 俺は、混乱する。

 ホーリーは俺にレベルに関する重大なことを教えてくれた。


 この世界におけるレベルの上限は99だと思われているがそれは違う。ではなぜそう思われているのか。それはレベル99を突破するのに二次転職が必要だが、ほとんどの人が二次転職をできていない。よって、レベル上限が99だと思われている。


 ホーリーの説明を聞いて、俺は驚く。


(そんな...知らなかった...)


 勇者パーティにいた頃も、誰も教えてくれなかった。


「じゃあ、俺はレベル100を超えられるってことですか?」

「ああ、そういうことだ。それじゃあ、またジェネラルスパイダーが来る前にギルドに戻ろうか」


 ホーリーが、歩き出す。


「え、あの、戦利品は持って帰らないんですか?」


 俺が聞く。

 野生でもダンジョンでもモンスターを狩ったら戦利品を持って帰るのが普通だ。しかしホーリーは持って帰ろうとしない。

 ホーリーが、肩をすくめる。


「なぜかって?あいにくギルドに亜空間袋を置いてきちまったんだ。担いで持って帰ると血の臭いで新しいのが寄ってくるからな」


「なるほど。じゃあ、いったん取りに帰りましょう」


 俺は、言う。


「え?またここに来るのか?わざわざこいつらを持って帰るために?」


 ホーリーが、呆れた顔をする。


「はい。他の幹部の方も連れていきましょう」


「はぁ、わかった。めんどくせぇけど、新メンバーの頼みだ。聞いてやるよ」


 ホーリーが、苦笑する。


「よし、じゃあ早く戻りましょう」


 


 ギルドにて――


 大聖堂。


 幹部たちが、それぞれ任務の準備をしている。

 俺は、ウーミンとニーシを探す。

 

「ウーミンさん、ニーシさん、今からお時間ありますか?」


 二人が振り返る。

 ウーミンはしぶしぶうなずいた。

 一方ニーシは首を横に振りながらかわいらしい声で、


「ごめんなさい……これから任務なの」

「任務……?」


 俺は、聞き返す。


「ええ、そうよ。このギルドに入ってくる任務はたいていそこらの冒険者じゃ達成できない内容なの」

「それはなんでですか?」

「そうね……一般ギルドでA級の任務はここではC級で出されてるわ。そして任務のはどうやって入ってくるかなんだけど、このギルドは国の後任ギルドじゃないの。だから提携を結んだギルドから誰も達成されなかった任務を貰ってるの」


 ニーシが、丁寧に説明してくれる。

 俺は、理解する。


 ――非公認で難しい任務のみを扱う。どうしてだろうか。


 準備を終わらせたホーリーとウーミンが戻ってきた。

 ホーリーは、大きな亜空間袋を持っている。


「レン、いやネフィリム、回収しに行こう」


「わかりました。あ、ニーシさん色々教えてくださりありがとうございました。お気をつけて」


「ありがとう。そちらこそ」


 ニーシが、微笑む。

 そういって俺たちは再びふたたび魔の森に入った。


 


 魔の森――

 

 木々が、うっそうと茂っている。

 まだ昼下がりだというのにやけに暗い。ここに来たときは明るかった。とても不気味だったが、幹部が二人もいるのが支えだった。


 足音だけが、響く。


(なんか...嫌な感じがする)


「あの、さっきより暗くないですか?」

「そうか?そんなことないと思うけどな」


 ホーリーが答える。ウーミンもそれに同意した。

 二人は、平然としている。


「ネフィリム、君は少し敏感なんだよ。緊張してるからなのかもしれないけど、肩の力抜いてリラックスね」

「ありがとうございます、ウーミンさん」


 俺は、深呼吸する。


「おい、見えてきたぞ」


 ホーリーが、指を差す。

 ジェネラルスパイダーの死骸がある場所についたが、そこには女の人がっ立っていた。黒いローブを着た、女性。


「あれ?ニーシさん?」


 俺が声をかける。


「あら、ネフィリムじゃない。さっきぶりね。ここに何か用事が?ギルドから結構遠いけど……」


 ニーシが、不思議そうに聞く。


「はい、そのジェネラルスパイダーたちを回収しに……」


 俺たちはニーシにここでの出来事を話した。

 

 ニーシは、真剣な顔で聞いている。


「ジェネラルスパイダーが数十匹……近くに巣がありそうね。今回の私の依頼『ジェネラルスパイダーの殲滅』手伝ってくれるかしら?」


「ニーシさんもちろんです」


 俺は、即答する。


(一緒に戦える...!)


「はぁ、また面倒にまきこまれた……」


 ウーミンが、小さく呟く。


「ウーミン?なんか言った?」

「いえ……何も」


 ウーミンが、目を逸らす。

 俺たちはジェネラルスパイダーの死骸を亜空間袋にいれ、ニーシについていった。

 ニーシは、地面を見ながら歩く。

 ニーシは鑑定士なのでジェネラルスパイダーの魔力の痕跡にもとづいて、巣まであとを追った。

 俺も、その後ろを歩く。


 たどった先、俺たちはそれを見て驚愕した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ