表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された悪役令嬢は、騎士団長の剣に救われる  作者: 九葉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/11

第十話

「アルティシアの民よ!」エドガーの声が広場中に響き渡る。「今宵、新たな時代の幕開けを見届けよ!」

祭壇の上に立ったエドガーは、緑の石と同じ輝きを持つ大きな宝石を掲げた。赤い霧がさらに濃くなり、広場を包み込んでいく。

「セリック!」

叫びながら、私は祭壇に向かって駆け出した。同時に騎士団の精鋭たちも動き出し、黒装束の男たちと交戦を始める。

「リディア、下がれ!」

「力を貸して!」私は彼に向かって叫んだ。「あなたの剣に、私の魔力を込める!」

彼が剣を掲げると、私はその刃に手を当てた。緑の光が剣を包み込み、青い光を帯びた魔法の剣へと変わる。

「行くぞ!」

セリックは魔法を帯びた剣を振るい、黒装束の男たちを次々と倒していく。私も浄化の光を放ち続け、赤い霧を押し戻していった。

「もうすぐだ…」エドガーの声が響く。「王の血を受け入れよ!」

彼の手から赤い光線が放たれ、王太子に向かって伸びていく。

私は最後の力を振り絞った。母の首飾りの緑の石が砕け散るほどの力で、全ての魔力を解放する。緑色の光が爆発的に広がり、セリックの剣を通じて一点に集中した。

「うおおおっ!」

セリックの剣が、エドガーの持つ「王の石」を直撃する。石が砕け散り、眩い光が広場全体を包み込んだ。


赤い霧が徐々に晴れていき、代わりに緑の光が広場を浄化していく。黒装束の男たちは力を失い、エドガーも膝をつき、崩れ落ちた。

「終わったのね…」

力を使い果たした私も、その場にへたり込んだ。しかし、すぐにセリックの強い腕が私を支えてくれた。

「よくやった、リディア」

王太子自身が近づいてきて、私たちの前で頭を下げた。「恩に着る。あなたたちのおかげで王国は救われた」

振り返ると、広場には再び星の明かりが戻り、人々が不思議そうに、しかし安心した表情で見守っている。

「十年前の真実が、ついに明らかになったわね」

セリックの腕の中で、私は微笑んだ。長い間背負ってきた「悪役令嬢」の烙印が、ついに解けたのだ。

「セリック」彼の顔を見上げた。「あなたが言っていた…戦いが終わったら伝えたいことって…」

彼は優しく微笑み、人々の視線も気にせず、私の頬に触れた。

「もう隠す必要はない」彼の声は、星の祭りの夜に相応しく優しかった。「リディア・フォンブラット、私はあなたを愛している」

その言葉に、胸が熱くなった。「私も…あなたを愛しているわ」

彼は私を見つめ、ゆっくりと顔を近づけてきた。そして、星明かりの下、人々の見守る中、私たちは初めてのキスを交わした。

その瞬間、まるで伝説通りに、星の祭りの光の粒子が私たちを包み込み、祝福の印となった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

どう思われたか↓の★~★★★★★の段階で評価していただけると、励みにも参考にもなるので、

ぜひよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ