表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/27

閑話〜エルダの半生〜

2日程お休みを頂きました

一応明日から毎日投稿という事にしておきます

(絶対では無い)

1章終わりなのでちょっとした閑話です

私の名前は、エルダ・フォン・グラテラス

かつてセミア大陸の最東端に存在した亡国グラテラス王国の元第1王女

私が生まれた頃、サリナト教と言う人族至上主義の宗教がセミア大陸内で広がっていった

グラテラス王国は亜人を中心とした多民族国家、当然国内でサリナト教は危険思想として弾圧された

しかしその後不自然な誘拐事件が国内で頻発するようになった

当初王国上層部は一部過激派によるテロだと考えていた

しかし実際は違った

実際は、サリナト教国教皇の勅命によって周辺各国が秘密裏に誘拐し人身売買をしていたのだ

当時のグラテラス王国は半ば鎖国状態だったのでその事に気づかず

気がついた時には、隣国に攻め込まれ国は崩壊直前だった

そしてついに奴らは王城まで迫った


「ほう?お主らが我が国土と民を荒らしている賊軍か!」

「はっ俺たちは劣等種どもの反乱を鎮圧しに来ただけだ!大人しく死んどけ亜人が!」

「是非に及ばず!いざ尋常に…」


バァン!


「うっ!何だ…これは…」

「あなた!」

「お父様!」

「へっこれこそ優秀な人族様の作り出した最強兵器!『鉄砲』よ!」

「てっぽう…?」


この時の私はまだ幼かった

だからなのか鉄砲がどれだけ危険なのか分からなかったのだ


「おのれー!」

「エルダ!待て!」


私は怒りのままに敵に向けて魔法を行使しようとした


「お前ら!放て!」


ババァン!

バタッ…


「え?」


鉄砲に向かって無防備に立っていた私の前に血を流して倒れる母がいた


「お母様!何で!」

「エルダ…強く生きて…」


母は死の直前私に転移魔法を使った


「はっここは!」


気づけばそこは港だった

幸い耳長族の家臣たちが避難誘導していた所に合流できた


「ご無事ですか?姫様!」

「ええ…でも父と母は…」


家臣達は無言で冥福を祈った

その後家臣達と共に避難用の船に乗った

避難といっても最果ての東の海に活路を見出す…つまりあるか分からない新大陸に希望を見出しているのだ

日が経つにつれ嵐や高波によって一隻また一隻と船は沈んでいった…

だんだん船内の雰囲気も悪く誰しもが絶望しかけていた

私はずっと塞ぎ込んでいた

ある晩今までに無い大嵐の中ついにこの船も沈むと誰しもが思っていた夜


「姫様」

「何?最後のお別れ?今までご苦労様…」


パチンッ


「うっ!」

「いつまで塞ぎ込む気ですか!貴方が皆の光なんですよ!塞ぎ込んでしぬきですか!」


私は何も思わなかった

でも悔しかった、王族なのにこの船で何もできない自分の不甲斐なさが

ただ祈った民が幸せに生き延びれるように

不思議な事に嵐は収まり翌朝私たちは未知の大陸に到着した


「姫様!ありがとう!」

「姫様の祈りのおかげで生き延びれました!」


人々はそう言うが私は何もしていない

このもどかしさから私たち耳長族は大陸の奥の方までいち早く移住した


次回から第2章です

ご覧頂きありがとうございます

作者のモチベーションになりますので、

ぜひいいねと評価をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ