パラレルワールド？

作者：りあ

ドアを開ける。人いきれのする街へ足を運ぶ。空はどんよりと曇っている。今にも雨が降りそうだ。傘を忘れた。くそ。人の顔も暗い。この世に救いなどないかのように、ひとり残らず。雨が降り出す。こっちだって泣きたい。息切れがする。地下鉄の入り口。地獄への誘いのようだ。階段を下りる。滑って転げ落ちそうだ。でもそんな死に方もみっともない。こけないように踏ん張る。駅のホーム。やっぱり暗い。電車が来る。ボーっとしたまま乗り込む。動き出す。体を支えるのもしんどい。ゴォー。その音に何がが張り裂けそうになる。駅に止まって一瞬だけホッとする。また動き出す。うんざりする。こっちだって実家なんて行きたくて行くんじゃない。じゃあなんで向かってる？行かないとめんどくさいから。なんで来ないの？体調悪い？用事？いつなら来れる？……うるさい。ほっとけ。最寄り駅に着く。体を引きずって降りる。無邪気な高校生たちの声。いらいらする。いらいらする自分にもいらいらする。改札を通る。カードの残高があまりないことに気づく。急に不安になる。帰りに何かあったら？帰れない？自分はどうなる……？駅を出る。雨は降っていない。どうせなら滅茶苦茶に降ればいいのに。迎えの車が来る。親が言う。「おかえり。最近どう？」いやどうってなに。「まあまあ。」無難だろう。「まあまあって（笑）」何が面白い？そっちの質問の仕方だろ。じゃあどう答えればよかった？……。しばらく無言になる。何か話す？話すことないか。ていうかそっちが呼んだんだからそっちが会話リードするべきだろ。静かになったし寝るか。でも話しかけられたらめんどいな。あーストレス溜まる。

ドアを開ける。人いきれのする街へ足を運ぶ。空はどんよりと曇っている。今にも雨が降りそうだ。傘を忘れた。くそ。しまった。人の顔も暗い。この世に救いなどないかのように、ひとり残らず。……ということもないか。空が暗いからそう見えやすいのかもしれない。雨が降り出す。こっちだって泣きたい。息切れがする。運動不足だろうか。地下鉄の入り口。地獄への誘いのようだ。階段を下りる。滑って転げ落ちそうだ。でもそんな死に方もみっともない。こけないように踏ん張る。どこかのだれかに笑われるのも癪だ。駅のホーム。やっぱり暗い。地下だしこんなもんか。電車が来る。ボーっとしたまま乗り込む。動き出す。体を支えるのもしんどい。……運動不足だ。ゴォー。その音に何がが張り裂けそうになる。駅に止まって一瞬だけホッとする。また動き出す。うんざりする。地下鉄の閉そく感はもともと得意じゃないし、今は疲れてもいる。こっちだって実家なんて行きたくて行くんじゃない。じゃあなんで向かってる？行かないとめんどくさいから。なんで来ないの？体調悪い？用事？いつなら来れる？……うるさい。ほっとけ。てのはちょっとわがままだろうか。まあ実際気力は消耗するけど、行きたくないってほどじゃないかもしれない。最寄り駅に着く。体を引きずって降りる。運動ｂ……だけじゃないかもだけど。無邪気な高校生たちの声。いらいらする。いらいらする自分にもいらいらする。かわいそうな通りすがりの高校生。かわいそうな自分。改札を通る。カードの残高があまりないことに気づく。急に不安になる。帰りに何かあったら？帰れない？自分はどうなる……？駅を出る。雨は降っていない。どうせなら滅茶苦茶に降ればいいのに。迎えの車が来る。親が言う。「おかえり。最近どう？」いやどうってなに。「まあまあ。」無難だろう。「まあまあって（笑）」何が面白い？そっちの質問の仕方だろ。じゃあどう答えればよかった？別になんでもいいか。たぶんこれがコミュニケーションってやつ。……。しばらく無言になる。何か話す？話すことないか。ていうかそっちが呼んだんだからそっちが会話リードするべきだろ。ってことで。静かになったし寝るか。でも話しかけられたらめんどいな。あーストレス溜まる。まあたまにはいいとしよう。

ドアを開ける。人いきれのする街へ足を運ぶ。空はどんよりと曇っている。傘を忘れた。雨が降り出す。息切れがする。地下鉄の出入り口。階段を下りる。こけないように踏ん張る。駅のホーム。暗い。電車が来る。ボーっとしたまま乗り込む。動き出す。体を支えるのもきつい。ゴォー。駅に止まる。また動き出す。目的地に着く。降りる。無邪気な高校生たちの声。改札を通る。カードの残高があまりないことに気づく。駅を出る。雨は降っていない。迎えの車が来る。親が言う。「おかえり。最近どう？」「まあまあ。」「まあまあって（笑）」しばらく無言になる。

ドアを開ける。