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2度と恋愛なんかしない!そう決意して異世界で心機一転料理屋でもして過ごそうと思ったら、恋愛フラグ!?イヤ、んなわけ無いな  作者: 弥生菊美


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第36話 感謝祭の懸念事項


 食事会も終わり、帰って行った貴族達を見送った後、やっと肩の力を抜いて食事会で余った食材で作った夕飯をエシュテル、ゴコク、狐鈴と青葉達で食卓を囲う。


 食後のデザートも食べ終わり、皆でお茶を啜っていると、急に黙り込んだエシュテルにゴコクが不審に思った瞬間、世界から音が消え、青葉も湯呑みを持ったまま微動だにせず固まっている。


「えっ!?何!?」


 驚いた狐鈴が、即座にエシュテルの顔を見る。

直ぐに気付くとは腐っても神使か、それを横目にゴコクもエシュテルへと目を向ければ、エシュテル神が口を開く

 

「さて…私がこの力を使ってまで青葉ちゃんに聞かせてたくない話といえば!

ハイ!ゴコク君!!」


「……エシュテル様の神使、いえ…聖女エリティナ…」


「正解!!」


「エリティナ?聖女?

青葉の耳に入れた無いってどゆーこと?」


「そういえば、狐鈴君はあの時はいなかったわね。

創造主として神として、非常にお恥ずかしい話ではあるのだけれど…私に仕えている聖女が変質者でね…青葉ちゃんを性的な意味で狙ってるのよ…。」


「青葉と会ったその日の夜に、店まで来て青葉に合わせてくれと押しかけてきた…」


ゴコクが青い顔で言うのを見て、この男が青ざめる程の女!?と狐鈴も青ざめた。


「怖っ!アカン女過ぎるやろ!聖女やなくて性犯罪者やん!!」」


「ハハハハ…」


乾いた声で笑うエシュテル神の湯呑みに、お茶を継ぎ足しながらゴコクがその顔を見る。


「そう言えば、非人道的な対応でエリティナを店に来ないようにしていると話していましたが?」


そう問えば、ため息をついたエシュテルがお茶を啜ってこめかみを抑える。


「それねー。

結界に近いんだけれど、教会からあの変質者が一歩たりとも出られないようにしたのよ。

本来聖女は、フラフラ街へ出かけるような存在では無いから、まぁ普段と変わらないと言えばそうなんだけど…」


「せやったら、その変質者が娑婆に出てくる心配はないんじゃ…」


「それが、あるのよ…。

来週から始まる5日間の感謝祭…その間は教会を開放して盛大なお祭りをするの…聖女もその間は王宮の教会へ司教と共に行って祭事を執り行い。

広場でも私と聖女への労いと感謝として、イベントが連日行われるの…もちろん私は人々の前には出られない。

けど、あの変質者は出て来るわけで…。」


「流石に…神事の間に己の欲を優先させる事は、無いのでは?」


ゴコクが恐る恐る問えば


「甘いわねゴコク君…あの変質者の事よ、私が結界切った瞬間に走り出してこの店に来る可能性だって大いにあり得るわよ!!」


「………。」


「危な過ぎるやろその聖女!!

猪かなんかなん!?

聖職者失格やろ!!」


「解雇したいのは山々なんだけど…解雇したらそれこそ私の目が届きにくくなるじゃない…

青葉ちゃんの事以外では、ああ見えてちゃんと聖女してるのよ

お金も権力にも一切揺れないんだけど…ゆれないんだけどぉーー!!」


「青葉に関してはグラグラどころか、崩壊してる。」


エシュテル神がテーブルに突っ伏しながら「それな」と言いながら指を指す。


「せや!感謝祭の間だけ、青葉を元の世界に里帰りさせたらえぇーやんか」


「それは無理、青葉は生身の人間、行きは簡単だが戻る際には寿命が50年分削られる」


「んなっ!?ただでさえ短い人間の寿命を50年も!?

ダメや!絶対にそないな事させられん!!!」


「だからこその、この相談の時間をとらせてもらったのよ…エリティナは青葉ちゃんの前では変質者を全面に出してないから、青葉ちゃんも推しの強い女友達程度にしか思ってないと思うのよ…。

だから、2人にお願いしたいの!あの、変質者から青葉ちゃんを守って!!

出来うる限りの協力はもちろんするわ!!」


「それは勿論、青葉は守りますが…営業中に突撃されたら難しいかと」


「せやなー、しかも変質者ゆーても女となると…力技で止めることも難しいな…」


「そこは大丈夫!感謝祭の時は祝日として何処のお店もお休みするのよ、このお店には何人たりとも侵入できない結界を張りたい所だけど…せっかくこの世界に来てくれた青葉ちゃんを年に一度の大きなお祭りで軟禁するのもね…私の心は非常に痛むわ…かと言って、あの変質者は留め置く事は困難…。」


再び、テーブルに突っ伏していくエシュテル神


「青葉の身の安全を考えれば背に腹は変えられない。」


「さっきから話聞いてて理解してるつもりではおるんやけど、そこまでせなあかん程の聖女て!!?」


「最近増えている人攫いの心配もあるし…。

青葉ちゃんには店から出ないよう上手い事話してもらえるかしら?

絶対に!何があっても!くれぐれも!出ないように、扉を開けないようにって!特に聖女が訪問の際は!!」


「いやだから、ほんにそれ聖女と呼べます…?」


「分かりました。

青葉は必ず俺が守ります。

何を犠牲にしても「こっち見んなや!!僕を犠牲にする気満々やないか!!

この世界の創造主すら止められへん女、神使ごときが止められるわけないやろ!」」


「ありがとうゴコク君、狐鈴君!

3人で絶対に青葉ちゃんを守りましょうね!!」


力強く頷く、ゴコクとエシュテル神


「お願いだから話聞いて!!」


絶叫しつつも内心で「なんなんコレ…」と、遠い目をする狐鈴だった。







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