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2度と恋愛なんかしない!そう決意して異世界で心機一転料理屋でもして過ごそうと思ったら、恋愛フラグ!?イヤ、んなわけ無いな  作者: 弥生菊美


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15/55

第15話 傷口に塩


昨日は色々と大変だった…

狐鈴様はシューちゃんの前では

同一人物ですか!?

と思うほどの猫かぶり

好青年な神使さんに早変わりし

思わず冷ややかな視線を送ってしまった

夜は夜でお風呂の湯は温めじゃないと嫌だの

ゴコクさんの匂いのする部屋は嫌だの何だの…

1日で私が根を上げそうである

私の忍耐力がないだけなのか…

タカちゃんが朝来てくれた際には

圧をかけるかのように現れた狐鈴様に

神使さんチェンジで!!などと言い出せるはずもなく

もう時期、昼の時間がやってくる…

昼食は用意しておくので本日は昼寝でもして

お過ごし下さい

私は外出しますのでと伝えよう

昼食の準備と出かける準備をし

朝食後にゴコクさんの部屋に篭ったままの

狐鈴様に声を掛けるため扉をノックすると


「なに〜?」


扉を開ける気すらないのか

部屋の中から気怠げな返事だけが返ってくる

反抗期だった頃の弟を思い出す…


「少し外に出てきますので、お伝えしに来ました

昼食は冷蔵庫に入れてありますので

好きな時にお召し上がりください


そう伝えるも返事もなし

まぁ、ちゃんと出かける事は伝えたし

そのまま部屋を後にする

なるべく人通りの多い道を選んで行動すれば

何かある事もないだろう

そう思いながら階段を降り店のドアに手をかけようとうした瞬間

上からバタン!ドタン!ドタドタドタ!!

と、盛大な音を立てながら階段を下ってきた焦った様子の狐鈴様

その姿は洋装になっていた

この世界でも浮かないような白シャツに紺色のズボン

んっ?

まさか、狐鈴様も出かける気なのか!?


「ちょっ!!まち!!

1人で出かけるとか正気かいな!」


えぇ…何をそんなに焦るのか

流石に目を離すのはまずいという事なのだろうか?


「あっ…はい…

そのー、私の事はお気になさらず

休養と思って昼寝でもして下さって大丈夫ですよ?」


そう口では言いつつも

私のリフレッシュ時間も欲しいのでと

内心で思う


「そないなこと出来るわけないやろ

はぁ…しんど…

狐鈴様、私と一緒にお出かけしてくれませんか?

くらい言ったら可愛げもあるんになー」


はぁーぁと言った呆れた風の狐鈴様…

その言葉にイラッと来てしまうのは仕方なかろう

そんな発言、私がしたらしたで

あんたが言った所で大して可愛くもない

とか言って一蹴するだろうに

引き攣る顔でなんとか笑顔を維持する

大体、可愛げがあったら今頃

此処にいませんし!!

今も、彼氏とラブラブしてましたし!!

そう当たり散らしたい衝動を堪えて


「それは失礼致しました

仰る通り可愛げがない女ですので

どうぞ私の事などお構いなく」


満面の笑みでそう返し

扉を勢いよく開けて

狐鈴様が何か言う前に思い切り扉を閉めて

広場へ一目散に走り出す

人の流れにさえ乗ってしまえば

ぶつかる事もない

小さい私がこの人混みに紛れれば

探すのは難しいだろう

はぁーもー!!!腹たつ!!

失恋した原因を昨日今日で

何度も抉られ

直さない自分が1番悪いと思いつつも

そう簡単には治らない怒り

甘い物でも食べよ!!!



大通り沿いを歩くのは

この世界に来てすぐの時以来だろうか

あの時はタカちゃんもそんなに過保護じゃなかったのに

急に危ないと言い出したのは何故なのだろうか

思いの外、私がホイホイ出かけるから?

考えた所で仕方ない

自他共に認める可愛げの無い、隙の無い女ですし

大丈夫でしょう

そう思っていると、甘い匂いが鼻腔をくすぐる

焼き菓子だろうか?

道の先に可愛らしい白いお店に

若い女の子達が入っていく

よし!最初のお店は決まった!



「んふふ〜」


何種類もの焼き菓子の入った紙袋を手に

近くの噴水のベンチで早速いただこうと

鼻歌まじりに歩みをすすめる

見た目はマドレーヌやフィナンシェに近い感じだったな

エリティナ様の所で出して頂いた焼き菓子と同じかもしれない

そんな事を思っていると突然横からのドン!!という衝撃に

思わずよろける

痛い!と声を上げる間もなく

手から引ったくられた紙袋

一瞬の出来事に驚いてみれば

6歳位のボロを着た男の子が

紙袋を抱えてそのまま路地に向かって走ってゆく


「まっ!!待ちなさい!!」


そう叫んで少年を追い掛けるが

路地裏に入るのは流石にマズい…

まさか、こんな人通りの多い広場でもひったくりに会うなんて

それもショックだが

あの少年…黒く汚れ、服もボロボロ

あんな幼い子供が苦しい生活を強いられているのが

容易にみてとれた。

路地に走り込んだ少年を追いかけるも

案の定、さらに奥まった細い路地に逃げ込まれる

これ以上はいくら何でも危険だ

正直、勢いで追いかけたものの

少年から奪い返せるのかといえば

多分できない…人から盗んだものを食べるのは悪いことだ

だけどそれは恵まれている人間の綺麗事

思わぬ闇に触れてしまったな…

ため息をついて足早に路地を出ようとすると

セオリー通りですね…

と、言葉が出てしまいそうになる程

柄の悪そうな3人の男が道を塞いでいる

3人ともこの国の例に漏れず身長が高いため

もはや壁の様である


「お急ぎかい?可愛いお嬢さん」


「怯えちゃって、可愛いねー」


「あぁ、実に可愛いらしいお嬢さんだ

何処の国から来たんだい?俺らと少しお話ししないか?」



口々にニヤニヤとしながら、こちらを値踏みするような目で見る男達

だが、口々に同じことを言っていた

自分が今、危険な状況だと言うのは重々理解している

だがしかし!!

昨日から自尊心をズッタズタにされていた私の心に

一筋の光がさす




「今……私の事…可愛いって言いました?」




「あ?あぁ、お嬢さん可愛気あって良いと思うぜ」


「俺も好み」


「そうそう、可愛いお嬢さんとお近づきなりたいもんだぜ

だから俺らと「本当に可愛い?…私が…本当に…?…本当に可愛い?ねぇ??」


そう言いながら一歩ずつ3人組に向かって歩みを進めると

何故か怯えた表情をして後退していく3人組


「えっ…ちょっ…何この女…」


「兄貴!この女、目がヤバいよ!!」


「おおおお落ち着けってお嬢さん!

可愛いから、可愛いですから!!」


「可愛い…私が…この世界なら私……」


再度可愛いと言われ

そうか…小動物の様な可愛さと思っていたが

もしかして…もしかするんじゃないのか…

この世界なら私なんかでも可愛い方だったりするんじゃ?

そう思っても良いんじゃ?


「えぇ…なんか…狂気すごっ…」


「兄貴…こういうイカレ女はヤバいですって

執着心ヤバイ系ですって!

売春宿に売っぱらったりしたら

地獄の底まで追って来る系ですよ!!!」


「そう…だなぁ…俺もこの仕事してきて

初めて、女を前に身の危険を感じている…

…あぁー、俺ら用事思い出したんで

嬢ちゃん気をつけて帰んな」


そう言って私の横を通り抜けて路地の奥に

去って行こうとする男達


「えぇ!?なんでですか!?何で逃げるように去るの?

今の可愛いは全部嘘ですか!?

この悪党!!酷いですよ!!!!」


そう叫ぶと急に走りだす男達

そんなぁぁぁぁ!!!?

騙されたぁー!!

やっぱり可愛気あるなんて嘘だったんだぁーーー

心の中で絶叫していると

突然、子供が逃げ込んだ路地の方から

甲冑を身に纏った3人が

ガチャガチャと言う金属音を立ながら飛び出してきて

ナンパ男3人の前に立ちはだかる


「何をしている貴様ら!!」


この世界にも騎士って居たんだ…。




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