表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

05話 【魔王】と【邪神】

一章

5話


外の廊下からガシャガシャと鎧が擦れる音が近付いてくる。


「アイベル様!!いかがなさいましたか!!」


城内の騎士達が轟音を聞き、近付いて来たようだ。


「こ、これは一体何が…」

「ごめんごめん。少し【邪神】の一部と戦闘しててね」

「な!?じゃ、【邪神】ですか!?」

「そうそう。僕と副団長で無事に討伐した。すぐに警戒状態を解くようにいってきてくれないかい?」

「承知しました!」


騎士は来た道を再び走って戻っていく。


「さて、じゃあ報告書に書く内容について話そうか」

「部屋が破壊された理由に関してですか?それとも『魅惑する者ベルリリス』に関してですか?」

「それは勿論『魅惑する者ベルリリス』に関してだよ。後で部屋についても話したいけど」

「結局あれは【邪神】だったんですか?」

「少し違うね。あれはあくまでも【邪神】の体の一部。本体はもっと強い。けど想像以上に強くもないね」


戦ったかいがあった。と言いながらアイベルは禁書を空間に空けた穴に戻す。


「しかし、強くはありましたが【邪神】にしては弱すぎるのでは?」

「それは仕方がないさ。寝起きだからね」

「【邪神】を信仰する信仰者達がいないからですか?」

「そうそう。もう【魔族】もいないしね。けど【邪神】達を眠らせてたと思われる【魔王】『雹眠(ひょうみん)のぜルンド』もいなくなって、しかも【海地星】で【邪神】を見たから【地星】の【邪神】達が起き始めて信仰者や眷属も増え始めてきてる」


ガシャガシャと鎧が擦れる音が後ろから聞こえたので後ろを振り向くと先程の騎士が走ってくる。


「警戒状態解かれました!」

「良かった良かった。あと質問なんだけどこの部屋に来るまでに倒れてる人はいなかったかい?」

「いえ、複数名おりましたのが宮廷医師が対応しています。それと申し訳ありませんが一時的に部屋を退出頂けますでしょうか?」


騎士の横には別の男が一人おり、身なりからして宮廷に仕える者だろう。


「部屋を復元いたしますので…」

「あぁすまない。仕事を増やしてしまった」

「いえいえ構いません。すぐに終わりますから」


ギウスとアイベルが部屋から出ると、男は一つの魔法を部屋にかける。


逆行(リワインド)


魔法を発動すると時間が巻き戻るかのようにボロボロになった部屋が元通りに修復されていく。


「流石宮廷復元師。何度見ても面白いね」

「復元魔法は扱える者も少ないですから見る機会はなかなかないですしね」

「復元終了しました」

「ありがと!」

「いえいえ、では失礼致します…」


宮廷復元師が部屋から出ていき、それに続いて騎士も失礼致します。と言い部屋から出ていった。


「さて、じゃあ話を戻そうか。まぁだから起き初めの弱体化されてる今の【邪神】達を殺すしかないのさ。それに、【魔王】は人類が倒したんだ。その魔王に眠らされる【邪神】なんて、僕達でも殺せるさ」


今となっては判明しているが【魔王】は【邪神】と同列の存在であり、【魔族】はその眷属達であったということも【邪神】を知るものに取っては常識だ。


「だから、君には期待してるよ。ギウス君?」


アイベルはその声をはねさせ、文字通り期待のこもった声でそういう。


「命令とあらば、【邪神】を殺してみせましょう」


ギウスはそう答えるしかないのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ