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圧力(上)

前回との間がかなり空いてしまってすいません。

やっと投稿できました。

月曜日、それは一週間の始まりで清々しく仕事や学業を始める日でもある。

まあ、憂鬱な気持ちになる人もいるが。

しかし、ここに憂鬱どころか幽鬼のような顔をして歩いている人物がいた。

ジャックとビリーだ。


「やっと終わった・・・」


「さすがに二日寝ないでハードな運動した後に徹夜でレポート作成っていうのは辛いな・・・」


目の下に大きな隈をつくりながら二人は大学の廊下をトボトボ歩いていた。

二人は日曜日の昼過ぎニューヨークから帰ってきた後すぐさまレポートの作成に掛かった。

情報が絶望的に少ない中ジャックはビリーの助けの下、その少ない情報を大いに脚色して何とか完成にこぎつけた。


「でも大丈夫かなあ?かなり薄っぺらい内容になっちゃったけど?」


ジャックはそのレポートの内容に不安を感じずにはいられなかった。

そのレポートの内容を簡単に例えで説明すると、締め切りに間に合わなかった漫画家が話を伸びに伸ばして、いい所で次回へ続く!見たいな感じの内容だった。


「大丈夫、大丈夫、内容は薄っぺらだけど一応形にはなったんだからいいんじゃね?」


ビリーはビリーでジャックの問い掛けにを適当に受け流す。

その後ジャックは学部の教授にレポートを提出するためにビリーと別れた。



結果的にジャックのレポートは学部の教授に受理された。

ジャックはそれに胸を撫で下ろしつつ、大学の外で待っているビリーの所へ向かった。

合流した後、二人は午後からは特に講義も無いということで外で昼食を摂り、しばらく市内をぶらぶらした後、寮に帰り早めに休むことにした。

ここ2~3日ろくに休んでいない二人は寮に帰るなり泥のように眠った。



次の日の早朝、ジャックは携帯の着信で起こされた。

電話の相手は昨日、レポートを提出した教授だった。

話の内容はすぐに大学の自分の部屋にすぐ来いという呼び出しだった。

ジャックは急な早朝の呼び出しに急いで支度をすると、隣のベットで幸せそうな顔をして寝ているビリーに不満を覚えつつ部屋を出た。

大学に向かう途中、ジャックの脳裏を様々な考えが浮かぶ。

その中で真っ先に思いつくのがレポートの内容についてだった。

内容自体はかなり適当だが見せるものならば悪くは無い内容だ。

たとえ今朝の呼び出しがその内容だったとしても、こんな特別な呼び出され方は無い筈だった。

なぜならジャックの学部の教授は、大学の教授の中では一番温厚な人柄の人物だからだ。



そうこうしている内にジャックは大学の本棟の中にある教授の部屋の前にたどり着いた。

この大学に勤務している教授や助教授はそれぞれ自分専用の部屋が宛がわれており、各教授はその部屋を自分用の研究室や資料室に使っている。

この部屋もその一つである。

フォスターと書かれたネームプレートが貼られたドアをジャックは数回ノックすると、中から。


「入りなさい」


と短い返事が返ってきた。

ドアを開きジャックが中に入ると、まず大量の歴史書が収められた本棚が部屋の両脇にそびえ立っており、訪問者を圧倒する。

しかしジャックはこの光景には慣れており、部屋の奥に居るこの部屋の主人に目を向ける。大きな机の向こうに細身の初老の男性が椅子にゆったりと座っており、服装はきっちりとスーツを着こなしていて、手にはカップを持ち湯気を立てたコーヒーが注がれている。

中々その姿は絵になっていた。

彼がジャックが籍を置く歴史学部の教授、リチャード・フォスターである。

フォスター教授は入ってきたジャックの顔を見つめながら、皺が目立つようになってきた口を開き話を切り出した。


「君のレポートは読ませてもらったよ、中々面白い内容だった」


その一言にジャックはホッとする。

しかし次に教授が放った一言は、


「やめなさい」


ジャックは絶句する。

これまで温厚だった教授を見てきたジャックにとっては衝撃的だった。

いままで教授は学生のやっていることをこんなにきっぱりと否定することは無かったからだ。

沈黙が部屋を支配する。



5分余り経ってようやくジャックが口を開く。


「なぜですか・・・今まで教授は目標に向かって努力する学生には力を貸して下さったじゃないですか!」


ジャックは声を荒げる。


「静かにしたまえ」


教授は片手を前に出しジャックを制しながら話を続ける。


「このレポートの内容が問題なんだ。別に君がナチスのヒトラー生存説を調べようと、日本の南京虐殺の有無を調べたところで、私は止めはしない。しかし、この潜水艦を調べるのは許可できん!」


フォスター教授はジャックの言い分を聞く気は毛頭無いようだった。さらに、


「もし黙って調査を続けるようならば最悪君には厳しい処分を与えねばならぬ」


と脅迫じみた台詞まで言ってくる。

これにはジャックも引き下がらざるを得ないようになってしまったが、ここまで来てジャックは引き下がる気は毛頭無かった。

何とか譲歩を引き出そうと、


「少し考えて答えを出してからもう一度来てもよろしいでしょうか?」


とジャックは考える振りをしながら少しでも時間を稼ごうと教授に提案する。


「いいだろう、よい返事を期待しているよ」


教授も少し思案していたが、ジャックの提案を了承した。


「明日にはお答えできると思いますのででは、失礼します」


そしてジャックはそう告げると教授の部屋を後にする。


「ハァ・・・」


部屋を出てドアを閉めるとジャックはため息をつくと無言で廊下を歩き始める。

部屋で教授から聴いた言葉はジャックからしてみれば考えられないことだった。

先に述べた通り、フォスター教授は学生のことを大事にしており幾らなんでも学生の行いをあんな頭ごなしに否定したりはしない。もし間違ったことならば理路整然と学生が納得のゆく説明をしてくれるからだ。

なぜ教授があのような行動に出たのかはジャックは疑問に思った。



その日のジャックは普段どうり講義に出席したが、講義中ずっと教授への回答をどうするか考えていたのだが中々考えがまとまらないでいた。

教授の態度を見る限り、潜水艦の情報収集を禁じているのは教授自身ではなさそうだからだ。

そうこうしている内にその日最後の講義が終わり、ジャックは帰り支度を始める。

時刻はまだ昼の1時をまわったくらいで寮に帰るにも早い時刻だ。

いつも通り公文書館で資料探しをしようかと思っていたところに突然、校内アナウンスが校内に響く。


「~歴史学部のニコルソン君、館内に居たら至急学長室まで来るように~。~繰り返します。歴史学部のニコルソン君、館内に・・・~」


それはこの大学の総責任者である学長からジャックへの呼び出しだった。

やっとシリアスっぽくなってきました。でも今度は戦記小説とかけ離れて行っている気がとほほ・・・。

これも私の文章力と構成力の無さです。

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