足は大事 2
この流れのままでスルグさんたちにも|女神たちの気まぐれ《ソルタ・レーオを教えて欲しかったんだけど。ポインさん、ゾさんしか応じてくれなかった。
「え~、『舌に喜びを』。どんな料理もできるだけおいしく栄養もいっぱいにできるよ」
「私は『極大射程』、四方へビームを発射できます。ですが、興味深いことにこの力は元々私が普通に使えるのです。つまり、元の世界でですが。そのため私の世界はいささか荒廃しており、理性と暴力のせめぎあいが……」
うん、ポインさんは生活に、ゾさんは戦いに役に立ってくれそう。でも、移動魔法は使えないんだよね。
他の人も名乗り出ないってことは、そういうことかな。ムーラさんも使えないから聞いてきたんだろうし……でも、同時におれたち、『神訪人』なら取得できるって声に響きがあった。
この世界の人よりは、あれでも覚えるのが簡単なのかな?
「いや、おれたちはそうじゃないみたい。残念だけどさ」
「……そうか、なら移動用のモンスターの購入を考えたほうが良いかもしれないぞ」
「移動用?」
車とか飛行機……いや、この世界観だと馬とかかな。
「それこそ、私のような『願寄所』のものはあちこち移動するから、少しでも負担を軽減するのに所有している。……私はそれほど大物ではないがな」
「移動魔法があるのに?」
「今も言ったろう? 高度な移動魔法を使える者はわずかで、ほとんどは大国に招聘される。如何に乗り物が増えようとも、足を無くすわけにもいかない」
それもそうか、車があるからって歩かないわけじゃないし、自転車もあるからね。飛行機や船ができて、確かに前使ってた移動手段は使われないようになったかもしれないけど、0にはならない。場所によっては、飛行機や船じゃ届かないこともある。
ま、今大事なのはいちいち歩いてると時間も体力もかかってしょうがないってことだよね。
「モンスターって買えるの?」
「メニューみればいいじゃあん」
うるさい、リロは無視無視。
「市場がある。それこそノナシンにもな」
「じゃあ、国とってからもらえばタダだなっ」
「まあ、それもありかもね」
国を手に入れればそれくらいはいい。
「そこらへんのモンスター捕まえるのはダメか? ゆーなら女神たちの気まぐれで出来るだろ」
と、スルグさんが言うけどムーラさんは首を横に振った。
「似たようなことをした奴がいたが、とても制御ができなかった。傷つけずに捕まえるのも、しつけるのも、飼っておくのも素人には無理だろう」
野良犬の感じかな? おれの家にはペットいないけど、おじいちゃんは昔犬飼ってたっけ。野良犬拾ったって感じじゃなかったけど。
「いやいや、ゆーの女神たちの気まぐれならいけるって」
「ちょっと」
信用して言ってるんじゃないでしょスルグさん。軽く言ってくれるけど、チクバさんはおれが今できる範囲の力しかないんだよ?




