雨宿りからはじめて 4
盗賊の類と思っちゃうのは荒んでる気がするけど、今までこの状況で無害な人だったパターンが思い出せない。
そのまま人影が2つ3つ……10人以上も増えてる⁉
緑の葉っぱや苔っぽい服に浅黒い肌……髪も目も緑色だ、人じゃない?
「エルフだよお」
エルフ! 知ってるけど……知らない! 少なくとも、おれの知ってる金髪色白で耳が尖ってる……あ、いや、耳はこっちも尖ってるけど、それとは違う! どっちかっていうと、木とか植物が人(でいいのかな?)になったように見える。
「あ、え~……こんにちは?」
とりあえず挨拶。でもエルフっぽい人たちは返してくれない、礼儀がなってないよね。
おれの声に気付いたのかみんながやってきた。いち早く臨戦態勢をとったのはムーラさんだった。
「エルフ……」
「そのまんまなネーミングだね」
けど、確かにエルフは森にいるイメージだよね。地下はドワーフって感じ、海にはあんまりいそうにない。
「気を付けろ、排他的な連中だぞ」
うん、それもイメージ通り。フレンドリーな感じはないよね。
「侵入しちゃったみたい~?」
「不穏」
マイさんにココイソさんが不安を口にする。
あ、ココイソさんっていうのは、一反木綿みたいな体にウサギの頭がついてる人。見た目と違って低くて怖い声で、口数もかなり少ない。宙に浮いてて妖怪にしか見えない……でも、これが当たり前な世界もあるんだよね。ゾさんがあるから大分フツーに見える。
「た、戦いになる?」
「レベル1、あてにはしないで」
この二人は見た目はおれと同じタイプに見えるんだよね。
ランランさんはすごくおっかない仮面をかぶってるけど、その下はおれと同じくらいの背格好。シャツと短パンだし……服をかってあげないといけないかな? 虫に刺され放題だよ。ちょっとおどおどしてて声もかすれてる。
雷虎さんは仮面はなくてよりおれの知ってる人間に近いけど、肌が真っ白で目がなくて、そこには黒い穴が空いてる。正直ちょっと怖い。格好も上は黒い胸あてだけど、下ははかま? でいいのかな? なんて言っていいかわからないよ。ココイソさんほどじゃないけど、無口で声は結構高い。
そして、二人とも女の子だった。
「どうする? ゆー」
「退散するしかないでしょ」
おれはそうプリアに答えた。そのつもりはなかったけど不法侵入だし、別にここにいなきゃいけないわけでもないからね。
「すいませんで―」
一応挨拶を……の矢先、本当の矢先がおれのお腹に生えてた。
「あれ?」




