雨宿りからはじめて 3
「無論、最初は小さな寄合からはじめるべきだろう。しかしな、それでもやはり御旗があるにこしたことはない」
ムーラさん妙に積極的だね。そういえば、稼ぐのが目的だってことを言ってたけど……国作りってもうかるかな?
「なによそれ?」
「正当性と言ってもいい、『神訪人』が国を作ったよりは、名の知れたものが作った国に『神訪人』も関わってたというほうが、警戒されなくていいということだ」
「随分詳しいんだね」
「前例を知っている。『神訪人』が今みたいに寄り合って国を興したが、危険視したゾイワイにより攻められひと月待たずに壊滅した」
むむ、見逃せない情報だね。メニューメニュー……
「その事件なら知ってますよ」
棒人間(失礼かな)のゾさんが入ってきた。
「通称『ゾイワイの裁き』ですね。5人のプレイヤーにより成立した国家を、ゾイワイという国が攻めたのです。かなりの激戦でしたがゾイワイが勝利し、周辺国もゾイワイを支持しました。というのも、このプレイヤーたちの国家設立が強引なものであり、かねてからの……」
「あ、ありがとう」
話が長くなりそうだったから止めてもらった。でも、そっかお飾りでもいいから誰かを代表にした方がいいんだね。
「ん~、じゃあその名の知れたものっていうのに心当たりある? このゲームのキャラがいいんでしょ?」
ポイン・ポゾルーノさんがたずねた。
見た目は鍋を頭にかぶった黄色いくまのぬいぐるみ。アニメから出た来たみたいなファンシーな人だね。ぽっちゃりしてて、口調ものんびりして穏やかないい声をしてる。
どういう世界から……ゾさんよりはわかりやすいか。
「ある」
「えっ」
あるの? そんな、都合よく?
「戦乱で故国を失った王族貴族は腐るほどいるからな、国家継承権を持った者を選べばいい」
「つまり、そいつに元の国家を再興させるが、実質は俺たちの国にする、ということか?」
スルグさんにムーラさんがうなずいてみせた。
うーん、うまくいくかな? 選んだ人がお飾りで満足する? 実質おれたちの国で、まわりの人は納得する? いや、国って言うか家は欲しいんだけど……狭いし。
でも、おれ以外のみんなは随分乗り気になってるみたいだった。やだなあ、これじゃあおれが間違ってように見えるじゃない。
ちょっとだけ外に出よう、うんしょ……ふう、雨がちょっと気持ちいい、ぎゅうぎゅうづめで暑かったし。
広がる森、こういうところにツリーハウス欲しいよね。うん、ツリーハウスいいじゃん。そうだよ、小さいところからはじめてさ。チクバさんに建築家もいるはずだもん。
うんうん、いいんじゃない? ほら、あそこの人も……んん⁉
あれ? 人影⁉




