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黒き王の憂鬱 24

 結局、おれたちは工場を出て、今後について話すためと料理屋に集まった。最初は宿屋でいいと思ったんだけど、流石に手狭じゃないかってことになったから。


 で、その料理屋を探すのにもひと悶着あった。プリアとマイさんは折角外食するんだからおしゃれでちょっと高級なとこが良いって言って、キフォンさんとムーラさんはそういうとこは量が少ないから、酒場と併設してるとこがいい(量がいいらしい)って喧嘩になったんだ。


 正直お腹が空いてるんじゃなくて、場所が必要なわけだしどこでもいいじゃんって思うんだけど、そうじゃないみたいなんだよね。


 確かに、トビウサギとかを森で捕まえてたのを思うとご飯にはこだわりたくはなるけどさ……う~ん……。


 結局、お財布事情と相談して汚くはないけど間違っても高級ではないお店に決まった。コース料理でスープと肉、魚料理、デザートがついてる。パンが食べ放題なのはいいけど、これがまた固いし味がないんだよね。フランスパンを食べたことある? あれよりもずっと固い。やわらかいおせんべいみたい。ジャムもバターもないし。


 肉も魚も焼き過ぎで、かかってるソースはすごくしょっぱい、反対にスープは薄いし、デザートはゼリーみたいだけど生臭いし甘くない。うん……まずい。


 なのに、みんな目の色を変えて食べちゃうのが悲しい。元の世界ではどうだったんだろう? おいしいご飯がそんなにお金が無くても食べられるのは、本当に幸せだったんだなあ。はあ、帰りたい。


「それで、共同戦線を張る気か?」


 最初に口を開いてくれたのはムーラさんだった。


「そりゃ、味方同士だからなっ」


「一人でやるよりいいでしょ」


「貴君ら私たちに従えるのか?」


「従うっ?」


「そうなるだろう」


「ムーラさん!」


 いきなりギスギスしないでよ。


「私たちは3人、貴君らは2人であろう」


「正確には一人と一人よ」


「なんだその態度っ」


「ご、ごめん」


「下手に出てはいけない」


「ややこしくしないでしょ!」


 どうしてそんなに上から接するのさ、折角協力できそうなのに、二人とも怒ってるじゃない。


「舐められたらいかん」


「別にそういう場面じゃないでしょ⁉ 大体、今はイスト会に雇われてるんだから上下関係とかないよ!」


「けど、私たちのほうが数は上だ」


「あ~‼」


 なに? こんな人だっけ? いや、よく考えると今までおれたちとしか接してなかった、一応の味方と、そうじゃない人とは態度が違うの? 


 結局、そのままお開きになっちゃった。参ったなあ、絶対に協力したほうがいいのに……。


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