表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/155

黒き王の憂鬱 14

なんとか落ち着かせると、エイメさんが妥協案を出してくれた。おれたちがもらうはずの報酬から、いくらかムーラさんに渡すってこと。


「私も、私も、私も、出しますから」


 ちょっと恩着せがましい感じはするし、そもそもおれたちが最初に受けてるんだし、ムーラさんの文句の先は紹介した『願寄所(ギャザル)』じゃないかって思ったけど、彼女の様子を見るとカッカきてるみたいだから、そういうとまた喧嘩になりそう。


 ほら、怒ってるときに正論をスラスラ言われちゃうと余計ムカッとしない? 思い出すなあ、幼稚園の畑中先生。喧嘩した時どうしておれが悪いかをたっぷり20分かけて淡々と、余計に怒ってお母さん呼ばれちゃったんだよね。ごめんねお母さん。


 ……今になってみると、あんなの全然平気だよね。この状況と比べるとさ。でも、その時にはその時に感情とかあるし……はあ。


 で、テントの中で待機をしながら、ドクトカゲが出てくるのを待つことになった。何が起こっても自己責任、攻撃されたら攻撃し返してよしっていうのが決まり。


「ギムレット」


「パスよ」


「勝負、勝負、勝負」


 なのに、この3人はなんかカードゲーム始めてる。ムーラさんが持ってた『ギムレット』ってやつで、コーコーンって国で流行ってるらしい。


 ギムレットっていう人が昔、そこの王様を殺そうとして(王国なんだね)、それが直前で阻止されて処刑されたのが由来なんだって。


 ギムレットを誰が縛り首にするかを競うゲームで、1ゲーム1処刑。お金を1ゲームごとにかけて、勝った人がお金をもらえる。

細かいルールはあるけど、おおよそこんな感じ。



 ……物騒なゲームだ……いや、それをいうと今この世界とか、元の世界だって人を殺しちゃうゲームはいっぱいあるけどさ。


「ゆーさんもやりましょうよ」


「そうよ」


「あのねえ……」


 ドクトカゲ退治しに来たんだよ?


「さっきもいったぞ、ドクトカゲは夜行性だ」


「そうかもしれないけど、緊張感が無さすぎるでしょ」


 ただでさえリロがうれしそう(・・・・・)なんだもの、絶対に良くないことが起こるんだから。おれやプリアは生き返れるからいい(これも変なことだけど)けど、エイメさんに、まあムーラさんだって死んじゃったらそこで終わりなんだから。


「大丈夫、大丈夫、大丈夫、こっちは4人も―」


 ! う、臭い……生臭い、肉、肉っぽい臭さ。わかるかな? ちょっと口呼吸にしなきゃやばいくらいの……。


「―‼」


 なんだろう、ギャー、いや、キョー、とにかくカ行の叫びと一緒に、どしどしとすごい足音がした。


 待つ間もなく、あの紙に書かれてた絵とそっくりな巨大ドクトカゲがこんにちはした。で、でかい……しかも実物は随分……狂暴そうじゃない?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ