黒き王の憂鬱 11
「んふふ~」
リロめ、いかにも『説明してあげよっか?』みたいな顔して。
おれだって、バカだけどバカじゃないんだぞ。メニュー画面に載ってるはずなんだから、そこからこの仕事のことを調べてみよう。それだけじゃなく、他のこともいっぱい調べちゃう。そうすればもうこの邪神に頼らなくてもいいんだから。
……。
……。
……。
「ゆー?」
プリアに服のすそを引っ張られて、おれはメニュー画面から目を離す。こりゃ、結構長く見たまんまだったかな? 声をかけて、反応がないからすそを引っ張ったんだろうから。
この世界の用語集……、改めてだけど、いくらなんでも長すぎるよ。今だって、『願寄所』について調べてるんだけど、これ絶対一冊の本よりも量が多いって。
本は……全然読まないってわけじゃないけど、まだお父さんたちの読んでるようなのは、ほとんど手を出したことないんだ。なんていうか、書き方が全然違う。
漢字は多いし文字は多いし……だって、本当にそうなんだもん。こんな状況で、ゲームクリアしたいって思ってるのに。
「ちなみにい、今までは全員それを暗記してから始めてたよお」
ああそう、そうだろうね英雄さんだし、こんなくらいは簡単に覚えられて、スムーズに進められたろうね。
はあ……ゲームなんだから、進めてるうちにわかっていけばいいのに。
「そういう風になってるよお」
また……考えを読んでるって意識もないんだろうね。そもそもおれたちはゲームのキャラ、ってことにされてるし。
我慢して読み切る……。
……。
……。
……。
だめ、やっぱり無理。
「どれが、安全?」
「どれも危険」
リロのとっても嬉しそうな笑顔。
「でもお、ソウトウドクトカゲがおすすめえ」
ソウトウ……、これか。頭が二つある紫色とオレンジの大トカゲ……ある村で家畜が被害に、人に広まる前に駆除を……あれ? 他が人に被害があってるのに、これが一番高い……。
「ソウトウドクトカゲが危ないモンスターだからよお」
「だろうね……」
くそっ、リロの思い通りになんかなるもんか。これを選ばなければいいんでしょ……。
だけど、この邪神がすすめるってことは……当然おれが避けるってわかってるわけで……選ばないのはそれはそれで損になる?
とにかく、俺たちが苦労してるのを見るのが楽しい……その苦労ってのも決まりはない……ああ~、もう頭痛くなってきた。
考えないとダメだってわかってるんだよ? でも、でも、追いつかないよ回転が。




