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黒き王の憂鬱 7

「どうする? ゆー」


「ゆーさん?」


 あ~、エイメさんに名前がばれちゃった。っていうか、おれの名前は『ゆー』じゃなくて『とも』なんだけど……今までずるずる来ちゃってるし、いまさら指摘するのもあれかなって思うけど。


「断っても恨みはしませんよ、数撃てば当たるでやってますから。でも、でも、でも、その後でお願いされたら足元見ちゃいますから」


 抜け目ないのか、誠実なのかわからないけど、この人は嘘を言ってはいないような気がする。


 抗争か……良し悪しは別にしても、戦って生き残ればまたレベルアップができるし、リロが言うようにアイテムとか、あとコネができるかもしれない。


 国家統一するなら、人手もいるしなにより今は拠点が欲しいんだよね。


「……わかった、お願いするよ」


「ありがとうございます。けど、けど、けど、確定できないのはわかってくださいよ」


「それも大丈夫」


 要するに試験てことだよね。おれがもしそのイスト会でも、戦力になるかどうかは気にするから仕方ない。……落ちちゃったら、ムッとするだろうけどね。


「それじゃ前途を祝して一杯、一杯、一杯」


 エイメさんの拍子を合図にするように、宿屋の人がお酒と料理を運んできた。おおっ、湯気が出てるしお菓子まである。甘いものはこれまで全然だったから、みてるだけで涎が湧いてくるよ。


 それにしても、エイメさんとこの宿屋はなんか繋がってるんだね。タイミングが良すぎるよ。う~ん、決めたそばからなんだけど、不安になってきた。


「あれ、あれ、あれ、いけますね」


「よっしゃもう一杯」


 話し合いしたいけど、プリアはあの調子だし……ここはお酒は大人になってからとかないの? 見た目子供だよ? 実年齢は別にして。


「『黒き王の憂鬱』スタートだねえ」


「また変な名前……あーあ」


 リロは放っておれは考えこむ。


 正直に言うと、この料理も毒とか入ってないか調べたいんだけど、そうするとキリがなくなっちゃうんだよなあ。この街は、この人は、それこそリロなみに全部わかってないと成り立たない。


 そうなっちゃうと、フツーの神経じゃいられない気がする。


 やっぱり元の世界は……おれが住んでたとこだけかもしれないけど、治安は良かったんだよね。あーあ、帰りたい。


「どうしましたゆーさん、ささ、食べて、食べて、食べて」


 すすめられるまま、おかゆっぽいのを食べてみる。おいしい。チーズが入ってるのかな? 『監定士は嘘を吐かない』だとチーズリゾットって出てるけど、見た目はおかゆだよね。このカリッとしたのはなんだろう? 揚げ物?


 こうして夜はふけていって、気づいたら酔いつぶれた二人を前にして、おれも椅子に座ったまま眠ってた。ベッドにいきたいんだけど……お酒飲んじゃったかな、ね、眠い……。


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