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強欲と強欲 2

 レベルはまた1からやり直し、救いは元(今回は5だね)のレベルにまたなると、スキルが復活するってことかな。ゲームじゃなくて、生き返るのが前提の世界と思えばいいかも。


 ともかく、今はレベルを戻さないと。やだなあ、またいっぱい殺さないといけないなんて。



 よっと、……よしっ当たった。トビウサギを石で撃ち落としたぞ。


「火が点いたわよ」


「ありがと、今行くよ」


 思ったより早くおれたちはレベルを元に戻せてた。慣れもあるんだろうね、けどこれは、他のプレイヤーも同じってこと。要領のいい奴だと、一回も死なないでトップを独走するってこともある。


「心配ないわよお、みーんな友たちとおんなじくらいだからあ」

 ……そっか、心くらい簡単に読めるんだった。やっぱり邪心だよね。


「それで、オークはどうするのよ?」


 皮を剥いたトビウサギを火であぶりながら、プリヤはおれに尋ねてきた。脂が垂れて煙があがって、いいにおいが漂ってくる。チクバさん抜きだと焼くくらいしかできないけど、節約節約。


 マルクマやアシナガネコが嗅ぎつけて集まってきてる、でも、今のおれたちにはかなわなくて、新しい肉や毛皮に変えられるだけってわかってるからか襲ってこない。


 最初のころは、こいつらがこの森最強のモンスターだったんだよね。嬉しい反面なんだか寂しいっていうか変な気持ちになるよ。


「ちょっと」


「考えてるよ」


 ちょっと強くなったプリヤの口調に早めに答える。ほうっておくと拗ねるからね。


「やり過ごせるようにしてみようよ」


 不意打ちだったにしても一撃だもんね。会わないようにするのが一番いいよ。説明文でも、縄張りが強くて気が荒いみたいに書いてあったし。


「『監定士は嘘を吐かない』」


 女神たちの気まぐれ(ソルタ・レーオ)じゃない、つまりプレイヤーなら誰にでも手に入る力の一つ。これを使うと、見えてる風景に説明が入るんだ。


 例えばプリヤなら『プレイヤーの一人、生首だけの異界人。偉そうな割に抜けてる。正直面倒くさい』……おれの思ってることじゃないよ?


 トビウサギの丸焼き、マルクマたちにも説明が入るし、モンスターも判別(・・)ができる。さすがにおれがしらない(・・・・・・・)ことまで教えてくれないけど、オークがいるかどうかはわかるはずだよ。


 手に入れるのに観察に時間をかけたんだ。結局は、練習と勉強しないとスキルも手に入らないんだね。


「これで―」


 あ? ……うわ……やばい。『オーク』って文字が浮かんで……こ、こっちに来てる。だめだ、は、早い。


「プリヤー」


「え? まだ焼けてないわよ」


 ちがうよ! ああもう、自衛官じゃないの? ほら、もう足音まで聞こえてきてるじゃないか。


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