黒き王の憂鬱 4
賑わいもそうだけど、モニモスと比べると明らかにしっかりしてた。なんていうか、まっすぐな線でできてるってわかるんだ。元の世界では当たり前だったけど、新鮮な気分だね。
ビルとか道路とかってあれどうやって作ってるんだろう? それこそ、なんだかあっちの方が魔法でも使ってるんじゃないかなって思えるよ。言い方を変えてるだけで、技術とか発明って魔法なんじゃないかな? 何言ってるのか自分でもよくわかんなくなってきたけど。
ともかく、しっかりした街に見えるってこと。入ってすぐに商店街がずらっと並んでて、奥には統治してる人たちがいるだろう大きな建物があった。それだけで視界がいっぱいって言えば、どれくらい大きいかわかるでしょ?
「まずは宿をとろうか」
正直すぐにリロの言ってる抗争とか同じプレイヤーの情報を集めたいところだったけど、ちょっとは休まないといけないと思うんだよね。
要は、屋根の下で眠りたい。
「ええ~」
「私は賛成よ」
リロはどうでもいいとして、プリアも同じ気持ちみたいだ。そうだよね、休むのだって大事だよね。
商店街には宿屋もありそうだった。どこかに宿をとって、ごはんも食べて、ゆっくりと……。
「おや、おや、おや」
休む。んだけど、なんか変な人が寄ってきた。全身緑色の服を着てて、髪の毛からかけてるメガネの縁まで緑色。歳はプリアと同じくらいで、ひょろっとした印象がある。やたら高い声と尖った鼻がまたこう、怪しい。
「『神訪人』じゃあありませんか?」
おれはひとまずこの緑色の人を無視することにした。なんかエファアイの時と同じシチュエーションだし。
けど、彼は歩き出したおれたちについて来ちゃった。
「ねえ、ねえ、ねえ、そうでしょう」
しつこく話しかけてくる。周りがおれたちを見てるのも、『神訪人』ってのもあるけどこの人がやかましいって理由もありそうだ。それぐらい声が大きいし早口すぎるよ。
「どう、どう、どうなんです?」
「ち、違うよ」
つい答えちゃったのが良くなかった、緑の人は会話が成立したとみてますます早口になっていったんだ。
「いや、いや、いや、そんなわけありませんって。わたしにはわかるんですから。まあ、まあ、まあ、言わずともわかります。詳しくはこちらで話しましょうね」
「ちょ、ちょ……」
そのまま強引に引きずられて、宿屋におれたちは連れ込まれちゃった。これはおれが悪かった、引き離しちゃえばよかったのに、初めてきた街&受付の兵士たちの前で印象を悪くしたくないって日和っちゃったんだ。




