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黒き王の憂鬱 3

 そんなこんなで3日(これも3日も歩き通しなんて今までなら考えられないけど)も過ぎると、ようやくそのニックライの街が見えてきた。


 正確にはニックライにいっぱいあるそれの一部でしかないんだろうけど、おれもプリアも思わず感嘆の声を吐いてた。


 モニモス、ケレッサの村と比べても段違いだね。あれの3倍は広いし、建物もみっしり集まって建ってた。さすがにビル群とはいかないまでも、かなり高さもある。


 周りは塀で囲まれてて、巡回する兵士みたいな人と、掘りの上で見張ってる人もいた。まあ、お城だね、お城。モニモスのと同じく石と木でできてるみたい。


「ニックライの街だよお、名前はなくて『国境近くの』って区別のためにつけてるかもお」


 名前ないのか……おれの街でも名前はあったけど、まあ異世界だし、その必要もないのかもしれないね。配達物とかどうしてるんだろう。


「戦争してるようには見えないわよ?」


「黒社会の抗争だもん」


 なんか違うのかな? まあいい、とにかく今は同じプレイヤーと会えるか見て見よう。


 出入りの大きな扉についたところで、巡回してた兵士みたいな人たちが集まってきた。手に持ってる槍を構えてる、歓迎してる風じゃないね。モニモスの青服と似た感じかな。


「『神訪人』だな?」


 やっぱりわかるんだ、何か違いがあるのかな? 正直、おれが見る限りこの世界の人たちとそんなに変わらない気がするんだけど。


「なぜ来た」


「長旅で疲れているので、買い物と休息です」


 これは聞かれたときのために考えてた。おなじ『神訪人』を探しにだと変だし、自然な理由がないとね。


「今、街の混乱に関しては?」


「ああ、あの―」


「なんのことでしょう?」


 プリアをさえぎる。危ない危ない、たまたま来ただけだって思わさないとね。けど、少し強引だったかな?


「……街では街の掟が全てに優先される、また、余所者は監視される。抗議は受け付けない」


「はい」


 兵士みたいな人たちは下がって行った。どうやら、入ってもいいらしいね。もっとも、この後には受付があるみたいで他の人が並んでた。


 リロの言う抗争で、『神訪人』を警戒してるのかな。だからわざわざ出て来た? まあ、でもこれなら腹も立たないかな。理由はわかるし、戦争ばっかりの世界観らしいから。


 受付で、名前と目的をもう一回聞かれて、似顔絵を書かされた。面白いのは、これに魔法をつかってたこと。小さな用紙におれとプリアの全身図がかかれて、立体映像みたいに浮かび上がってた。

そっか、こういうところでも魔法は使われてるんだ。


 そういうわけで、少し大変だったけど、おれたちはこの街へ入ることができた。


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