強欲と強欲 47
けど、それをさせるほどスロポスさんは甘くなかった。軽く体をふっただけで、二人をはじき飛ばしちゃった。まあ、腰巻一枚だけだし、毛も生えてないからしがみつく場所もないよね。
しのびチクバさんは、かぎづめみたいなのを刺して耐えようとしてたけど、やっぱり無理があったみたい。刺さったけど表面で、ひっかき傷はできたけど恐ろしく硬いよね。
スロポスさんはすぐにまた巨兵に飛び掛かった。頭にいるプリアを叩き潰そうと頭突きをする。
どうにかプリアは巨兵の腕を交差させて防いだけど、それも一撃でぼろぼろになるくらいにスロポスさんの力は強かった。おまけに、どれも通常攻撃(っていっていいのかな?)で疲れることもなさそうだ。レベル8じゃ……やっぱり手も足も出ないね。
「ゆー! なんかしてくださいッス!」
再び駆け出して、スロポスさんへ向かっていきながら格闘家チクバさんが叫んだ。
「これを」
急に肩に手を置かれたと思ったら、しのびチクバさんが手に持ってた小刀をおれに突き出してきた。刃が紫色で……湯気が出てる。
「毒で候。多少は効果ありと思ふ」
こういう装備込みでの召喚獣なのかな……いや、今気にすることじゃないけど、気になって。
あと、おれに戦えって? おれは……おれはだって、司令塔だし。でも、これを始めたのはおれなんだよね……。
しのびチクバさんはおれが答える前に走っていった。色々行って来るけど、おれのお願いはちゃんと聞いてくれるんだよね。なんだか……悪いかな?
スロポスさんの攻撃……っていうか、足を踏み出して、その衝撃で(どういう体重&力?)だけてチクバさんたちは吹き飛ばされちゃう。こんなのにおれが参加したら、死んじゃうよ。そうするとチクバさんたちも消滅して、プリアもやられちゃう。だから、おれはここで指示を出してて間違いないんだ。
だって、そうだもん。
「ゆー!」
プリアはとうとう逃げにかかった。
けど、スロポスさんがそれを許してくれるわけもないわけで……あっさり捕まっちゃった。
格闘家チクバさんがスライディングしながらスロポスさんの足へ蹴りを叩き込んだけど。やっぱり全然効いてない。軽く蹴り返されて吹き飛んでいった。
しのびチクバさんは、攻撃するタイミングがつかめないでうろうろしてる。
……ああ、もう。
「あてにならないからね?」
おれは、格闘家チクバさんへ走って行って、その手を掴んで起こした。
「あ、ありがとッス。……そうっすよ、協力しないと」
あーあー、そう、協力だよ。
おれが始めたんだから、おれが何とかしないと……恰好悪いよね。




