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強欲と強欲 37

 エファアイが格闘家チクバさんを蹴り飛ばして俺に向かってきた。専門家でも元がおれだから、強さにも限界があるみたいだね。


 そこに矢が飛んできて、エファアイは接近を止めて剣で切り払うしかなかった。う~ん、これもめっちゃすごいよね。だってあんな早いのを剣でどうにかしちゃうんだよ? バッティングセンターじゃあるまいし。


 矢を射ってくれたのはアーミーチクバさん。全然闘志が衰えてないのがすごいし、腕だってすごく正確だ。しのびチクバさんも支えてあげてる。


 でも、それを放っておくエファアイじゃないよね。火の玉の魔法を撃ってきた。当然アーミーチクバさんたちは回避して……さっきと流れが一緒じゃないかな?


「せおお!」


「うわっ」


 改めておれに向かってくる。剣で受けられないから思い切りさがってかわしたけど、このままじゃジリ貧だよ。早く来てチクバさんたち。


 まさか、おれを倒せばチクバさんたちが消えちゃうってわかってる? あり得るよね、かなり頭がいいみたいだし。


「考え過ぎよお、ゆーが一番弱そうだからさっさと片付けて数を減らそうとしてるのお」


「ああもう、ありがとう!」


 リロめ! でも、ケガしてるアーミーチクバさんたちよりも弱いと思われてる? そりゃそうだろうけど……ちょっとムカッと来たよ。


「このっ」


「むっ⁉」


 土をすくって、目に向けて投げつける。当たらなかったけどエファアイは勢いを殺して、その隙に俺の蹴りが当たった。


「ナイスッス‼」


 復帰した格闘家チクバさんの膝蹴りが、エファアイの背中に直撃した。間違いなく痛い、背骨がおかしくなっちゃってるかも。なのに、エファアイはすぐに剣で斬り返してきた。


 チクバさんは攻撃したせいで一歩遅れて、首の下あたりを大きく切られちゃった。パッと血が出て……うう、くらっとしてきた。


 エファアイは火の球を振り向きざまにアーミーチクバさんたちに撃って、おれに向かってきた。


 距離をとって……ん? 血を吐いてる……今の膝蹴りが効いてるのかな? だとしたら……もう少し? それともこれも罠? もう少しなら……チャンスかもしれない。


 どうする。


 そんな一瞬の迷いがおれの運命を変えた。


「あっ」


 滑った。


 滑って受け身をとろうとしたけど、筋力が弱くてそのまま倒れたんだ。痛い、息が一瞬できなくなって、そこにぬってエファアイが覆いかぶさってきた。


 咄嗟の事だったんだよ、とにかく何かしなきゃって剣を向けて、でも、エファアイは止まらなかったんだ。


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