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強欲と強欲 35

 剣……というかこういう技の弱点はリーチが短いこと。2,余裕をもって3メートルくらいも離れれば、もう心配はない。もちろん、武器の種類にもよるだろうけど。だからおれはこうやって離れようとするんだけど……。


「しょあ!」


 エファアイはそれをさせてくれなかった。この世界の剣術も、元の世界で剣道もやってなかったおれだけど、彼が何かしらの基礎を持ってるってのはよくわかるよ。動きが良すぎるし、全然軸がぶれてない。


「チクバさん!」


 おれは必死にチクバさんたちを呼んだ。悔しいけど、チクバさん3人がかりで勝てない相手におれ一人でどうこうできるわけないからね。


「神様ってのはいるのか? どうなんだ」


 そして、エファアイは斬りかかりながら何度もおれに、神様の事を質問してきてた。そういえば初めて会った時も……リロの言ってた『女神教』の人なのかな?


 今更だけど、それを前提にすると彼の胸には、傷だけじゃなくアクセサリーみたいなのがあるって気づいた。二つ……信者ってこと? だから、神様……リロがいるか気になる?


「おい、『神訪人』」


 どんな宗教かしらないけど……奴隷はOKなんてしてるんだから、正義の味方じゃなさそうだね。おっと! いまの危なかった……。


「やい!」


「はっ!」


「ぞむっ?」


 な、殴り返された……痛みは、それほどじゃないんだけど、やっぱり精神的なショックがどうも……。


 って、それより間髪入れず押し倒されちゃったよ。ま、まずい。筋力が低下してて押し返せないし、ここから刺されたり斬られたりしたらもう……。


「神から送り出されたんだろうが、どんなんだ神ってのは? まともか、ボゲか?」


「そん―」


 急にエファアイがかけてくる重みが軽くなった。


「せああい!」


 格闘家チクバさんが蹴り飛ばしてくれたんだ。た、助かった。


「しっかりしてくださいッス」


「し、しっかりしてる……つもりなんだけど」


 格闘家チクバさんに助けてもらって起き上がると、しのびチクバさん、遅れてアーミーチクバさんもやってきた。


「4対1」


「やってやるぜコラ……」


 いや、おれは戦いは……でも、3人でかなわなかったし、アーミーチクバさんはケガしてるしで……。プリアもまだ敵には不自由してないし……。


 結局このまま下がっても、またやられて戦力低下で……エファアイをどうにかしないとダメか……。


「……や、やるよお!」


 補助、あくまで補助だからね。ああ、リロが拍手して喜んでる姿がとことん恨めしい、いっそ神は神でも邪神とでも言っちゃおうかな。


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