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強欲と強欲 33

「りゃああ!」


 叫びながら飛び掛かってきた男に、思わずおれは蹴りをいれてた。エファアイの部下じゃないね、青い服だから森の男たちの同僚かな……それよりも、咄嗟に蹴りをだしたはいいけどひやりとしたよ。振り下ろされた剣が、蹴り足をほとんどかすってたからね、当たってたら切れるどころか……足がなくなっちゃってたかも。


 腕力が弱いからって蹴りを出しちゃったけど……気を付けなきゃ。最悪走って逃げることが、足がないとできなくなっちゃうからね。


「ぎゅ、きゅああ!」


 で、さらなる問題は蹴りで一旦怯んでくれたけど、男はすぐさままた襲い掛かってきたってこと! そりゃおれみたいな子供の蹴りで怯ませられるだけでもすごいんだけど……やっぱりレベルをもっと上げるべきだったかな。ていうか、男の奇声がすっごく怖いよ。


「ゆー!」


 けど、男は『黒ノ鉄巨兵(ノアシャトゥ)』の踏みつけで平ら(・・・)にされちゃった。グロい……とも思っていられない、プリアのおかげで助かった。


「ありがとうプリア!」 


「剣闘なんとかは確保したわよ!」


 言葉通り、『黒ノ鉄巨兵(ノアシャトゥ)』は捕まってた人たちを集めて庇いながら、周りの男たちをなぎ倒していってた。おれを助けたのはかなり無理してたみたいで、巨人がバランスを崩してる……ごめん、プリア。


「とおりゃあ!」


 格闘家チクバさんの正拳突きで、エファアイの部下の顔面が凹んだ。


「シャシャシャ!」


 苦無でしのびチクバさんに喉を切られた青服の男たちが、喉を抑えた手の間から規則的に血を漏らしながら倒れていく。


「コノヤロー!」


 アーミーチクバさんは世界観を無視して、銃で手当たり次第に周りの男たちを殺していく。いや、まあそうだよね、剣と魔法の世界でも銃が弱いわけはないよね……うん。


「ぬおおおっ」


 って、そんなアーミーチクバさんが吹き飛んだ。爆弾……じゃない、火の玉が直撃したんだ。魔法……でも、誰が?


「態勢を立て直せ!」


 エファアイ……やっぱり、魔法が使えるみたいだ。そんな気はしたけど……ボスキャラなのかな? 一人だけ明らかに、強いもんね。


「黙れ奴隷あがりが! 俺達は街の―」


 よせばいいのに怒鳴り返した青服の禿げ頭の男が、そのすきにしのびチクバさんに背中をチクチクさされて、口をパクパクしながら顔を真っ赤にした。振り返ったころにはもうしのびチクバさんは、別の男に飛び掛かってた。


 エファアイは、苦笑いしながら他は放って部下たちを下がらせようとしてた。けど、それを青服たちが妨害してる。卑怯者とか戦えとか言ってるけど、エファアイの行動は正しいのに……わからないだけならまだいいけど、それがきっとエファアイが元は奴隷だからだろうって察せて、おれは心がずんってなった。


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