表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/155

強欲と強欲 32

 街の人たちが気づいて応戦をする前に、おれたちは完ぺきな奇襲を決めることができた。エファアイたちは出て来てないし、兵士みたいなあの男たちと同じ青い服の人もまばらだね。


 勢いがけの奇襲だけど、案外タイミングが良かったかもしれない。青服の人たちはおれたちの探索にも出てるから、手薄なんだろうね。街の人も逃げるばっかりで戦おうとしない。


 とはいえ、そうなったのもおれたちのせいなんだよね……。昨日の今日だから、火事は収まっても破壊やけが人が治ってるわけじゃないもの。フツー(・・・)の日常を送れるようにはなってないよね……でも、それならリロが言ったような剣闘イベントも……。


「こんなときだからこそだもんねえ」


 考えを読んだ……っていうかわかってるリロがささやいてきた。


「辛い時こそお祭りはするものなんだよねえ」


「そう……かな?」


「ゆーは経験ないだろうけどお、そういうこともあるのお」


「そうなのかあ……」


 って納得してる場合じゃないよ。妨害がないのは良いけど、ともかく嫌な気持ちと折り合いをつけていくしかないね。


 街の中を『黒ノ鉄巨兵(ノアシャトゥ)』で爆走しながら、おれたちは剣闘場に向かっていった。


「右! 左! み……左で候!」


 しのびチクバさんの指示で道はばっちりだった。眠り薬を配置してくれたおかげで助かったよ。ただ……。


「う……」


「大丈夫ッスか?」


「だらしねえなあ」


 すごく揺れるから気持ち悪くなっちゃった……遠足のバスとかお父さんの車ではこんなことなかったのに……車ってすごいんだなあ、作った人を尊敬……うぷっ……。


「見えたわよ!」


 プリアの叫びに頭をあげて、おれは剣闘場を見た。壊れかけのボロボロのそこに、縄でつながれた人たちがいた……目がぎょろっとした女の人も……取り戻された人だ。やっぱり、これから生贄にされちゃうところだったのかな。


 そして、傷男エファアイたちもいた。おれたちを見ると、嬉しそうに笑ってた。……怖い、怖いよ。だって死んじゃったり死なせちゃったりすることを……笑ってできるんだから。


「ま、周りの人をころ……倒して! 遠慮はしなくていいけど、向かってくる人だけだよ!」


 チクバさんたちが飛び散った。プリアの『黒ノ鉄巨兵(ノアシャトゥ)』も一番近くのエファアイの部下に突っ込んで行って、おれも剣を構える。


 興奮しきったリロが鳥みたいな叫び声をあげてたけど、もうおれにはそれを気にする余裕もなかった。レベル1、筋力半減のこの状況で、生き残って助けることもできるかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ