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強欲と強欲 26

「うあっ……あう」


 明るい。夜が明けた……んじゃない、森じゃなくてあれは……学校と屋台。おれは……死んじゃったみたいだね。


「さ、次がんばろお」


 リロがおれを覗き込んできた。目の色が左右で違うと、すごく神秘的な感じが改めてする。半分の月と指先が触れ合った手の飾りが、なんだか不思議だった。何度も見てるはずなのに、はじめて目に飛び込んできた感じがする。


 おれは一番近くにあった屋台に入った。


「いらっしゃい」


 焼き鳥……と串焼きのお店だった。おれは、牛の体にニワトリの頭を持ってるお店の人から焼き鳥と牛串を買って、地面に坐り込んでそれを口に運んだ。おいしい、熱くて味が濃くて、なによりびくついてなくていい。ごはんって本当はこうなるはずのものなのに……。


「なあにい、すぐ戻らないのお」


 リロが勝手に牛串をとって食べ始めた。かじったところから胡椒と塩の混じった油が垂れて、あごを伝って青色の服の染みをつくってた。


「色々考えることがあるんだよ」


 もちろん、エファアイたちのことだね。解放された人たちはもう捕まっちゃってるだろう、プリアが取り戻せるとは思えないし。


 プリアはどうしてるだろう……、いや、もう案外自分の冒険に旅立ってるかもしれない。色々あったけど、そもそもどうして組んでたかは、なりゆきだからね……そうなったら、おれひとりでもう一度助けにいかないといけない。


 ここまできて、あとはもう知らないとは言えないよ。最後までやってみる、いい予感は全然しないけど……もやもやしてるよりはましだよ。


 嫌なことはいっぱいあったけど、でも、大丈夫。耐えられる。

思い出してみてもそう言えるから。


 ただ、どうやってやるかだよね。当然チクバさんに頼るしかないけど、所持金も持ち物も何もないと出て来てくれそうにない。それに、レベルが低いままだとチクバさんも強くなれない。


 また、レベル上げからやりなおしだね。楽しくないなあ……ああ、楽しくない。楽しくないことを無理やりやらないといけないのは、本当に嫌だなあ。


 それと、スロポスさんだ……もしかしてだけど、エファアイとぐるとか言うことないかな。だって、そうじゃないと意味がわからないよ、助けたのに放っておいて……だめだめ、すぐ悪いほうに考えちゃう。良くないよ。


「リロ、武器とかって死んじゃったらなくなる?」


「消費アイテムは消えるけど、そっちは平気だよお。まあ、ものによるけどお」


 剣があるならまあ、少しは良かったかな。何しろ、レベル上げと食糧確保のためにトビウサギとかを素手で殺しちゃうのが一番嫌だからね。道具があるなら、少しはマシかもしれない。


「帰らせてくれない?」


「だめえ」


 食べ終わった串を投げつけようとしたけど、止めて捨てておれは学校の渦巻きに歩き出した。


 泣きたいけど、泣ける気がしなかった。やっぱりおれは、なにか変な改造をされてるんだろうね。


 とっても嫌だ。


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