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後悔日記 3

 プリアを説得して、おれたちは数日間森の中でレベルアップすることに決めた。そんなにこういうジャンルのゲームやったことないけど、まずは強くなってから探索するのが良いってのはわかる。世界統一っていうリミットはあるけど、まずは身近な問題から片付けていかないとね。


「よしっ、レベル5にあがったわよ」


 フシメヘビを踏んづけながらプリヤはいった。名前の通りに節みたいな姿をしてて、柔らかい部分じゃないとおれたちの攻撃が通らない。倒したあとはちゃんと回収して食糧にするんだ。


女神たちの気まぐれ(ソルタ・レーオ)には、倒したモンスターがすぐにお金とか素材とか食糧にできるのもあるわあ」


「でも習得にめちゃくちゃ手間がかかるなあ」


 メニュー画面ていうのかな、おれたち(・・・・)は世界情勢や用語、どんな人がいるか、自分の状態、女神たちの気まぐれ(ソルタ・レーオ)はどうやったら手に入るのかがわかる掲示板みたいなのを浮かばせられるんだ。


 今のおれとプリヤのレベルは5。中々良さそうだけど、問題は女神たちの気まぐれ(ソルタ・レーオ)が力とか体力だけじゃなくて、話術とか折衝力とかそういう頭脳部門っぽい項目があるんだよなあ……。そこは全然あがってないし、バランスよくあげないと良くなさそう。


「なんで、こんな面倒くさいパラメータなんだよ」


「はあ~? こんなの普通だしい」


「そうよ、社会人は腕っぷしだけじゃやっていけないの。私を見なさい」


「戦って勝ったりするだけであがるんだから楽でしょお。あんたの世界じゃそう簡単にいかないものお」


 それはそうだけど……ゲームなんだからそこはさあ……。はあ、リロの面白いって感覚がわかんないよ。作ってる人とやる人の差かな……今までやったゲームを作った人はすごかったんだなあ。


 リロもどうしてついてくるんだろう? 最前線で見るのがいいのかな……やめやめ、全然わかんない。


「どんどん国を取ってけばいいし、面白いのお」


「んもう。ゲームに勝って、絶対にリロもこの世界も忘れてやるからね」


「勝つのは私よ私、自衛官のエリートなんだから有利よ」


 嘘っぽいなあ。それなら、おれといるより一人でテキパキいくはずだよ。体だってまた作れてるし。まあ、こうやってギブアンドテイクな関係だから今はいいけどね。


「さてと、それじゃそろそろ森から出よっか」


 レベルはあがったし、食糧も結構余裕がある。できれば森を抜けて人と会いたい。


「な、なんでよ? ここでレベルあげすればいいじゃない?」


「レベルあげるのに、トビウサギを40匹は倒さないとダメだったでしょ? 効率が悪いよ」


 ここは今までやったゲームの経験。時間制限もあるから、いつまでもってわけにはいかないよね。


「あとさ、おれたち素手だよ? 武器とか鎧とかいるでしょ、お風呂も入りたいし布団で寝たいよ。人も恋しいっ」


「私じゃ不満なの⁉」


「そういう問題じゃないでしょ……森にひきこもってても、統一はできないよ」


「それは本当う」


 なんだか急にプリヤはそわそわし出した。


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