強欲と強欲 22
「逃げるよプリア」
「え?」
『黒ノ鉄巨兵』におれは飛び乗った。
「逃げるの! 走って!」
プリアは慌てて走り出した。正確には巨人が走っているわけだけれどもね。
エファアイたちは飛び散って、どうにか一人も傷つけずにその場から逃げることができた。やっぱり、なんだか動きが良い気がするんだよね。チンピラにしても奴隷の管理人にしても。
「ど、どこに逃げるの?」
「スロポスさんのとこでしょ⁉」
叱られたみたいに傷ついた顔しないでよもう。どうしてもこういう状況だと、あんまりゆっくり言えないから怒鳴っちゃうでしょ。まあ、走ってくれてるからいいけど。
「お礼は十分また会いたし」
いつの間にか飛び乗ってた消防士チクバが、おれに抱き着きながらそう囁いた。その、押し付けられてる身体の感触がとても……もっとのどかな状況だったら、嬉しかったのになあ。
おかしいかな? でも、おれだって彼女に憧れてるし、そういうことにも興味がある。
ま、こんな時に思うことじゃないか。やっぱり、おれっておかしい? しばらくしたら見返してみよう。
「毎度」
ふにっとした感触が消えちゃった。消防士チクバさんが去って行ったんだね。
「おっと、ストップ」
「え、ええ?」
「下敷き、助けてあげて」
それでも、一直線に脱出とはいかなかった。追手みたいな人たちが来たし、途中で助けられそうなら立ち止まってもらったから。
本当に下敷きになってたり、動けなくなってる人だけ限定だけどね。
追ってくる人たちが石とか投げてくるから、あんまりじっとしてられないんだ。
バカみたいだよね? でも、やるしかないでしょ。
全部欲しいなら、それだけの力があるか全部中途半端で我慢するかしかないと思うんだ。おれたちに力はまだない、だから、中途半端を貫かせてもらうよ。いいでしょ?
街を脱出して、草原をしばらくいくともう追ってくる人はいなかった。電柱がない夜はすごく暗い、火があってもそれは変わらなくて、電気の発明はすごいなって思った。だって、真っ暗で何も見えないからね。
さすがに、おれたちは夜でも夕方くらいの感覚で見えるみたい。これもまたスキルがいるとかだったら、流石に怒ってた。
「結構楽しかったねえ」
いつからくっついてたのか、リロがからかってきた。
「でもお、これからだよお」
何言ってるの、終わったんだよ。ほら、もう少しで待ち合わせ場所につくんだから。それで終わり、捕まってた人は解放されておれたちはサブシナリオをクリアして、経験値とかもらえるんだ。




