強欲と強欲 16
あとはこれをどうやって、あの街の人たちに飲ませるかだね。
「それじゃ、有り金半分いただきやす」
「あう……」
薬屋チクバさんはそういって、頭を下げて消えちゃった。お金は……半分無くなってるよねえ。
マスクのせいで顔が全然わかんなかった、少しはおれを尊敬するとかないのかな全くもう。これからまたお金が減るよ、やだなあ。
「……『未来を握り合う手』」
登場したのはしのびチクバさん。
「参上」
「やあ、この眠り薬をあの街に巻いて欲しいんだ」
「井戸へ投げる由。ただ、気づかれて後の対応まではできかねる」
「んあ?」
「強力な故、すぐに気づかれる。また、飲料として使うのも個人差があり一斉にとはいかない」
「大丈夫だよ、匂いだけでくらっと来るんだから」
「そういうことを言ってるんじゃないわよ」
プリアが割り込んできた。
「全員を眠らせるなんて無理なの」
「なんで? 薬屋チクバさんの眠り薬はたっぷりあるよ?
嗅ぐだけで……」
「はあ」
うわっ、なにそのわかってないなあってジェスチャー? すごい腹立つなあ。
「いい? これはガスなのよガス。風に左右されるし濃さもあるのよ? ガスってわかればマスクをされちゃうし、飲み水だって対処されるものよ」
「その通りよお」
「ね?」
リロめ、こういうときだけあいづち打つんだから。
それより、どうしてまたこういうところだけそうやって現実的なのさ。ガスならガスで、ゲームだったらそこまでリアルにしなくていいでしょ? こう、ぶわーっとひろがってみんなしばらくぐっすりでいいじゃないかあ。
「それは見飽きたのお」
「飽きるなっ」
「問題ない」
むむ、スロポスさん?
「ある程度を封じられれば、囚われ人を俺が担いで運んでいく」
あ、そうか、運ぶことを忘れてた。眠ってたら自分で歩いてなんてできないよね、プリアはともかくおれは……一人くらいならいけるかな?
「……いい手段だと思ったんだけどなあ」
はあ、折角こうして作戦を考えても、穴だらけで嫌になっちゃう。考えてる間だけなら、孔明とかそういう人にも負けない感じなんだけどな。
いつか、何か考えても|でも、もっと凄い人はいくらでもいる《・・・・・・・・・・・・・・・・》って思うようになっちゃうんだろうか。
そりゃ、今から野球選手とかは無理だろうなって運動してて思うけど。
それって、すごく嫌なことだなあ。
「今からやるか」
スロポスさんに言われておれは我に返った。そうだ、今心をもやらせても仕方ない。
集中して、このクエストをクリアしちゃおう。




