強欲と強欲 14
森へ戻って、合流したスロポスさんにその作戦を話してみたら、プリアほどじゃないけど驚いたように見えた。オークがそうなのか、スロポスさんがそうなのかはわからないけど、表情が変わったかどうかが中々判別しずらい。
「そんなに変かな?」
「変っていうか……卑怯じゃない?」
プリアはこういうけど、チクバさんに協力してもらうっていうのがそんなにダメかな? だって、チクバさんはこう言っちゃなんだけど、やられてもそんなにダメージは多くないじゃないか。召喚獣だし、おれにダメージが貫通するわけでもないんだから。
「だってさ、チクバさんに眠り薬を作ってもらって、剣闘場の人とかをみんな眠らせちゃって、そのすきに捕まってる人たちを解放する。すごく安全だと思うよ」
「う~ん」
プリアは腕を組んで唸って、リロも顔には出さないけど足を投げ出してパタパタと廻してる。パンツが見えそうじゃないか。別に見たいわけじゃないからね?
「解放が成せるなら良い」
うんうん、スロポスさんはわかってるじゃない。
「でも、こう、正面から言って、きちんと解放しないとだめじゃない?」
「そうそう」
「時間がかかりすぎるでしょ」
おれたちよりはるかに強いスロポスさん(スキルでレベルとかがわかればきっと20くらいはありそうだ。おれの『監定士は嘘を吐かない』じゃ、まだそこまで詳しくはわからない)でも真正面からは無理なんだ、同じくらいの強さになるまでにどれくらい必要かもわからないよ。
忘れちゃいけないのが、世界統一って言うタイムリミットがあること。時間をかけるだけ他のプレイヤーにもチャンスを与えちゃうんだから。
「ゆーの女神たちの気まぐれで、眠り薬ができるかもわからないじゃない?」
「じゃん」
そうくると思ってたよ。これがその眠り薬さ。
「……効くかどうかも……おお~……」
どうです、ひとかぎでプリアはガタガタになったお尻をついちゃった。レベルアップの時、ほんの気まぐれでやってみたけどすごい効果だ。代償を無視すれば、チクバさんはすっごく頼りになるんだよなあ。
「量を作れるか?」
「もちろん、だけど材料がいるよ、集めないとね」
「何が必要か教えろ」
すっかりスロポスさんは乗り気だ。欲張りを言えばもうちょっとぶっきらぼうでないと嬉しいけど、まあ、オークってこういうものって感じもするね。いや、ドワーフかな? 知ってるお話のドワーフのイメージだけど。
「ナシコレソウ、アダダバナ、キタナミの実……」
リロ、つまんなそうな顔をしたって無駄だよ。おれは最小限の危険でイベントをこなしてみせる。絶対に面白いゲームなんかしてあげないんだから。




