強欲と強欲 12
「おまけにこのご飯」
「芋の塩焼きと豆スープ?」
「献立には肉入り豆スープって書いてあったのよ? それがどこにも肉がないじゃない。おまけにぬるいし」
おれのには肉が入ってたって言うのはやめておこう。確かにおいしくはないけど、これまでの丸焼きよりはいいじゃない。味があるって素晴らしいね。
けど、学校じゃなんでもあったからなあ……まあ、プリアの気持ちもわかるよ。
「さっさと成り上がって、王侯貴族みたいな暮らしがしたいものね」
「そうそう、頑張ってねえ」
おれは帰りたいんだけどなあ。言っても始まらないけど。あと、世界統一が目的じゃなかったっけ。
「で、どうするのよ。ゆー」
「宿でぬくぬくしてても強くはなれないよお」
「してないでしょ!」
いいかげん丸投げ&挑発はやめて欲しいもんだよ。はあ、一人で動けるようになれればなあ。けど、それはそれでプリアが心配なんだよねえ。
「……今は、剣闘場のことをまとめよう」
「ん」
「目的は、今捕まってる人たちを解放すること。これはいいよね?」
「う~ん……」
「……なに?」
「助けないとだめなの?」
「あのねえ……」
一緒に近くまで行ってみただろ? 学校にあるウサギ小屋よりひどいところに、人やオークたちが歳とか性別とか無視して詰め込まれてるんだよ。
おまけに殺し合いをさせられて、それを周りは面白がってみてるんだ。こんなの放っておけないよ。もしおれがもっと強かったら……あの楽しんでみてた人たち、殴るくらいはするかもしれない。
「でも、モニモスじゃ敵兵とか罪人を罰する儀式みたいよ」
「害を加えられた相手を必ず罰せられるとは限らない。だからあ、捕まえた奴等を代わりに戦わせて魂を浄化してえ、女神への捧げとするのが正しい理屈ねえ」
「正しくなんかないでしょ」
敵兵とか罪人とかいってるけど、あんなおじいさんおばあさんとか、子供もいるのは異常だよ。さっきの傷男、あっちのほうがよっぽど罪人ぽいよ。
だいたい女神ってリロだろ。そんな物騒な儀式させてる時点で、やっぱり邪神じゃないか。
「とにかくこんなのは絶対に間違ってるの。それに、イベントなら助けたほうがいっぱいいいことあると思うよ?」
やだなあ、結局ゲームに交えて話をするのって。でも、ゲームなんだよねこれって。
「そういうものかしら?」
「そういうものだよ。それでね、やっぱりそれには力不足と思うんだ」
「またレベルあげするのお?」
「ううん。それよりも、装備を固めてみようと思うんだ」




