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強欲と強欲 9

 指でおれをつんつんしながら、ちょろちょろと回って歩く。うーん、すごくむかつくね。


「『女神の皮膚』があるのにい」


「皮?」


「伝説の武器よお、こういうのにはつきものでしょお」


 メニューを見てみよう……うん、名前はともかくあるね。まあ、お決まりの通りお店では売ってなくて、イベントをしたりどこかに隠されてるのを見つけないといけないみたいだ。


「軽いし手入れもしなくていいし、楽なのよお」


「手入れ?」


「ほっとけば錆びたり切れ味が落ちたりするから、そのままじゃだめでしょお。壊れたら直したり新しくしないといけないのお」


 ええ……そういうゲームもあるだろうけど、嫌なリアリティだなあ。省略でいいんだよそういうのは。楽しさに通じるリアリティじゃないと意味ないじゃない。


「ノンノン、だからこそ『女神の皮膚』を手に入れた時の喜びも大きいんじゃなあい」


「いや、リロは見てるだけなんだから関係ないでしょ」


 やっぱりわかんないなあ。あれかな、ゲームは好きだけどやるのは面倒くさいから、見てるだけっていうのかな。絶対やった方が楽しいと思うけど、そういう人結構いるっていうしね。


「面白くないやつねえ」


「だったら帰らせてよ」


「それはあ……」


 はいはい、わかってますよ。結局ここに戻るんだから。


「中々いい剣じゃない」


 プリアはどうやら一本の剣が気に入ったみたいだ。おれが見た限りではどこがどういいかはわからないけど、それなりのものなのかな。


「いくら?」


「1200円」


 うーん、高いのかな、安いのかな? こういう時何を基準にしたらいいんだろうか? ペットボトルのジュースとか、おにぎりみたいなのもここにはないだろうし……。


「適正だよお」


 なんだ、珍しくリロが教えてくれたよ。


「ありがとう。でも、なんで?」


「ゆーたちがお金持ってないからあ」


 あっ、そうか。トビウサギにマルクマを倒して肉や毛皮はあるけど、お金にしてないんだった。


 それにしても、わかってたから教えたのか……リロは本当に邪神だね。いつかバチが当たるよ。


「よし、これにするわ」


 ええ……、いや、お金ないってわかってるでしょ、一緒にいたんだし。


「ゆー」


 は? おれに出せって言ってるの?


「1200円」


「早く」


 もう終わったみたいに剣をしまうなよっ。はあ、やだなあこれからお金ないですなんていうの。ってか、なんでモンスター倒せばお金がもらえるようにしないのかな。


「あの……」


「おい」


 ? 店主の声じゃない。誰?


「お前ら『神訪人』だろ」


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