強欲と強欲 8
スロポスさんと別れて、おれたちは町へと足を運んだ。
(いったことはないけど)ヨーロッパの田舎って感じかな? 石と木でできてて、電気やコンクリートの気配もないのが新鮮な感じがする。行きかってる人もまあ、外国の人って感じだね。髪の色がすごい人もいるけど。
「『神訪人』……」
「ベッケンの……」
やっぱりおれたちは目立つみたいで、じろじろ見られてこそこそ噂話をされてる。うーん、いい気分じゃないね。そもそもあんな剣闘なんかを喜んでる人たちなんだし、こっちだってそうくるならこうしてあげるよ。
でも、ゲームの世界っていってもやっぱりここはひとつの世界なんだね。物を食べたり、喧嘩したり、洗濯したり、寝転んでたり、物乞いしたり、普通のゲームじゃあんまりみない光景があるよ。
これをリアリティがあるか、リアルで嫌っていうかは人によるだろうね。現実的すぎるゲームなんて現実でいいじゃんっていうか……やっぱりゲームは家でゲーム機でやるのが一番いいよ。寒かったりお腹すいたり痛いのはやだもん。
「しけた町だわ」
プリアはもう色々気に入らないのか、どうにも挑発的な態度をとってた。あんまりトラブル起こして欲しくはないんだけどなあ、好きじゃない人たちの前だけど、情報収集に来てるんだし。
とはいえ、おれだってしっかりやってはいないんだよね。中々、知らない人に話しかけるっていうのも、難しいんだ。ゲーム的な都合が実践となるとこんなに壁になるなんてっ。
いくらこの人たちがリロが作ったゲームの人物っていっても、普通に生きてるようにしか見えないからね。
まてよ、だとするとおれの現実世界も神様がそうやって作ったゲームってことも……やめよう、怖いし。
「おっと」
武器屋発見。お店じゃなくて屋台だね。そういえば昔、公園のお祭りで刃物屋さんが来てた時があったけど、あれはどういう流れだったんだろう。はさみと包丁が並んでた。
「いらっしゃい」
また愛想のないおじさんが店主だよ。あごと口ひげが合体するくらいにぼうぼう。う~ん、怪しい。
なのに、プリアはなんか気になったのか立ち止まっちゃった。ま、いいか。練習のつもりで行こう。
「おすすめはなに?」
「全部」
……会話が続かない人だよ。
「ふんふん」
プリアが長い剣を手に取って眺めてる。そういえば自衛官って言ってたけどピストルを使ってはいたのかな? 妙に様になってるのを見ると違うっぽいけど。
「あーあー、こんなの武器にするのお」
またリロが口を挟んできたよ。




