お家最高 2
「よお~、くたばってなかったか」
「少しは色気ってもんがついたかあ?」
下品な言葉を投げかけるその人たちを無視して、ムーラさんは待っててといって中に入って行った。
「ガキとつるんでるのかあいつ?」
「夜の御供だったりしてなあ」
うわあ……なんて醜いんだろう。こうはなりたくないなあ……なったときにこの光景をおもいだして、余計自己嫌悪しそう。
「冒険家っていうのはあ、これがデフォなのよねえ」
おお、すっかり大人しかったからリロを忘れてた。そっか、まだついて来てたんだ。
「どうしようもない連中の最後の吹き溜まりよお、体があればだれでもなれるのお」
「やくざよりも下なの?」
「あれはあれでえ、ちゃんと組織になってるからあ。こっちはそうじゃないのよお」
「『願寄所』にいるんじゃないの?」
「所属者とそうじゃないのがいるのよお、所属できる冒険者、所属は出来ないけど仕事は貰える冒険者、仕事も貰えない冒険者って」
「なんでそんな?」
「どんなところにも等級はあるのよお」
「会社よ会社、ゆー。バイトとか正社員とかそんな感じ」
ああ……っていうかプリアからすごく現代的な話が出て来ると違和感が……。これも『統一見識補正』でそう聞こえるだけなんだろうね。ともあれ、わかりやすい。
「おい、こいつら『神訪人』じゃねえか?」
む、気づいた?
「何の用だ」
「えっと……まあ、色々」
言わないほうがいいよね。でも、それが不満なのかどうも緊張感が増した気が……はあ、ややこしくなってきたなあ。
「何の用だって聞いてんだ」
「言う必要ある?」
またプリアは挑発するようなこと……でも、心情的にはおれも一緒なんだよね。態度があれだし見た目もあれだしで、お近づきになりたい人たちじゃないし。
「ああ⁉」
うわあ、すっごく嫌な言い方ですごんでくる。荒事はいやだけど、そっちがそうならこっちだって温和にはいかないよ。
「人の国でなにやらかそうってんだ!」
「さあ、あんたをぶちのめすこと?」
おお、今のは格好いいかも。そして男は怒って殴りかかってきてー
「あぎっ」
殴った手を抑えて倒れた。プリアの差し出した手で受けられたんだから当然だよね、石でできてるんだもん。怪我した人に言うのはあれだけど、あれな人だし少しうれしい。
「野郎!」
っと、こっちも来るよね……うそ⁉ い、いきなり剣抜いてきた!
「うおおお!」
ま、間に合った! あっぶない……腕力で負けてたら普通に今斬られてなかった? 死んじゃったら終わりなのに、おれはまだまだ警戒が足りない。
「ちい! おい!」
げっ、そうだもう一人いたんだ。
「プリア!」
よし、おれの後ろに回り込もうとした一人をプリアが蹴飛ばしてくれた。おれはこっち!
「げえ!」
膝! 膝! 剣……はあれだから殴る! 殴る! 8回は殴ったかなってところで、俺に斬りかかった男はうずくまって『やめて』っていうように手を突き出してきた。




