足は大事 10
「ん~、ほら、刻印でぼくたちのことを主人だと思ってるんじゃない? それ以外はだから、関係ない存在みたいな」
「そ、それってひどいな」
でも、あり得るかもしれない。要は洗脳なわけだし、だとすると、このままだと子供たちはそのまんま? 魔獣使いチクバさんをもう一度呼び出して……いや、それだけのためには所持金をもう半分にはできない。
「倒すか?」
「だ、だめだめ待って!」
おっそろしいなムーラさんは。まあでも、このまま大きくなるとこの大人グリフォンになるんだもんね。そもそもモンスターは倒す対象だし、移動手段としては子供は使えない。肉とかアイテムに変えちゃうっていうのは、納得できる判断。
でもさあ、こんな小さいのをさあ……ほらあ、グリフォンに相手にされなくて寂しそうにうろうろしてるじゃない。だめだよお、放っておいたり殺したりなんかできないよお。トビウサギとかはいいのかって話になるけど……それはそれこれはこれ。
「飼う、飼うよ。大きくなれば大人みたいに乗れるようになるよ? 今回みたいに危ない真似しなくてもさ」
「大丈夫なの? 責任もって飼えるの?」
「やるよちゃんと!」
「そんなこといって、私たちが世話することにならない?」
お母さんみたいなこと言ってプリアのくせに……いや、お母さんに生き物飼いたいなんて言ったことないから、雰囲気で言ってるけど。
「ゆー、これから国を作ろうと言うのだぞ。戦争にもなるだろうし、そんな手間はかけられないぞ」
「それはわかってるけど……」
「あ~、いいよ、いいよ、僕がやる」
「お、俺も」
ポインさんとランランさんが助け舟を出してくれた。
「僕はあんまり戦いで役に立たないしさ、それくらいはやらせてよ」
「お、俺も、何かやる」
う、嬉しい。いいよなあ、こういうの。しみるよね。
「大丈夫なのか」
「不安」
そして言うまでもなくこの二人は……まあいい。
「ねえ、いいでしょムーラさん?」
「……これからに支障が出るようなら、私はまた意見させてもらうぞ」
「うん、頑張る」
認めてもらえたかな? さて、3匹の子グリフォン、おれが面倒を見てあげるからね。……こうなったのもおれのせいだけど、許して。
「明朝、グリフォンに乗って行きたい。まずは試乗をすべきと思うが」
「あ、そうだね」
ぶっつけ本番ってわけにもいかない。他のみんなは休ませて、おれとムーラさんでグリフォンに乗ってみた。どうもこっちのいう事はわかるみたいで、乗せてって言ったら姿勢を低くしてよじ登れるようにしてくれた。
で、結果だけど確かに乗れるけどめちゃくちゃ危ないしそれに恐い。まず揺れる、飛んでる時に風もすごいし、しがみついてないと落ちちゃう。かといってずっとしがみついてると腕の力もなくなっちゃうし、かといって馬に乗る時みたいな道具もないから、できるだけ低空で、ゆっくり、休み休み行くしかないってことになった。
飛行機ってすごいんだなあ、座ってるだけでいいんだもんな。
しかし、チクバさんはこういう時用に装備とか残してくれないものなのかな? それとも、レベル的に無理?
それから、子グリフォンが早速困ったことになっちゃった。なんかわからないけどすごく鳴きだした、ご飯かなって思っておれたちで集めてみても、食べるは食べるんだけど鳴きやまない。おしめ……はやってるわけないし、結局あーだこーだして、ようやく寒いんだってわかっておれたちで抱っこしながら眠ることにした。
うん、もこもこはいいんだけど、寝返りがうてないし臭いしで全然眠れない……。かといって、他の人に助けてもらうってのも違う気がするしね……あ、でもスルグさんとココイソさんがねちねちうるさいとか文句言ったのは忘れないからね。
今更だけど、おれはこの二人は嫌いだと思う。




