足は大事 8
「いくよ~! 『もっと光を』‼」
うはっ、目をつぶっててもそれってわかる光だね。蛍光灯くらいはありそう。おかげでグリフォンの声が悲鳴っぽくなった、可哀そうだけど成功だ。あれ?
「目が、目が痛い!」
「眩光」
スルグさんとココイソさんの声? 目を開けちゃった? ……いや、今は構ってる暇はない。光が収まったらすぐにグリフォンをどうにかしないと。
……よし、だいぶまぶしくなくなってきた。
「!」
見える。めっちゃ明るいけど見える。光ってるマイさんがうずくまってるのも見えるけど、ごめん、ちょっと助けにいけない。
「マイさんは出来るなら下がって! ありがとう! 他はおれとチクバさんの援護!」
ムーラさんたちが声をあげておれに続いてくれた。刻印の棒を構えるチクバさんを守るようにして囲んで、グリフォンにめがけて突撃した。
グリフォンはすっかり大人しくなってる。まぶしすぎて呆気にとられるみたいだ。プリアのおかげで抑え込まれてるし、これはいけそうな気がする。
「―‼」
うおっ、と思ったらむずむずしてる。さっきみたいに暴れるとやばい、こりゃ急がないと。
「よいしょっと」
「うわわっ」
チクバさんを抱き上げて走る、スピードが命、少しでも早くグリフォンに刻印を押してもらわないと……。
「お、うおっ……はあ、はあ……」
「すぐに疲れてるんじゃねえよっ」
か、格好よくと思ったけど……だめ、抱っこしたまま走ると腕も足も……も、もう無理……。全然走れない……人一人抱えるってこ、こんな大変なのか……。
「チクバさんが重いみたいに思われる! どうしてくれる」
「そ、それより刻印でしょお!」
チクバさんはイーってしながら、ムーラさんキフォンさん、ゾさんと一緒におれを置いて走って行った。一人くらいは気にしてよっ。
「だ、大丈夫か?」
おお、なんとランランさんが来てくれた。うれしい、心配してもらえるのって。……お母さん……。
「平気、それより、プリアたちを助けてもらえない?」
「お、おう」
ランランさんも行ってくれた。他は……スルグさん&ココイソさんは目を抑えてうめいてる、ポインさんはどうしたらいい? っていうようにおれを見てて、雷虎さんはそれとは別の静観の構えをしてる。
うん、ポインさん以外はまあいいや。
「―‼」
グリフォン! おお! やったチクバさんが刻印を押してる! 届いたんだ! ……で、でもすっごくグリフォンが苦しんでる……やっぱりなんか可哀そうかな……。
「‼ ―‼ ―」
チクバさんが刻印を離して素早く逃げ出すと、グリフォンはだんだんと大人しくなっていった。
プリアが抑えつける必要もないくらいになって、恐る恐る手を離しても翼を広げない。そしておれの前までゆっくりやってきて、頭を下げるようにして座った。
前足についた赤いチクバさんの刻印と引き換えに、グリフォンはおれの……いや、おれたちのものになったんだ。




