足は大事 4
そうだ、メニューを……いた、そのまんまグリフォンって名前みたいだね。でも……なんでか全部『?』になってて名前と姿以外が全然わからない。
「そりゃそうでしょお、会ったことないんだからあ」
「会ったこと……」
待てよ……、あった、『トビウサギ』レベル1~2、ほぼ全国に分布し地域で差異がある。戦闘力はないに等しいが動きは素早く、耳を利用しての飛行も可能。皮は服飾や小物、肉は食用として利用される。塩漬けにして根菜と煮た鍋が逸品。
なるほど、倒したことがあるからここまで詳細に出て来るわけね。けど食べ方まで載ってるのはどうかな? 弱点とかのほうがあって嬉しいけど。
「魔獣使いチクバさんとしては……楽なのがいいなあ」
「怠惰」
「もっとやる気をみせてくれ」
だから、スルグさんたちが言うなって。
まあいい、モンスターがいると確かに移動に便利そうだしね。それに、折角なら強いのがいい。チクバさんが提示してくるなら、このグリフォンは今のおれたちでもどうにかできるってことだし。
「チクバさん、グリフォンでお願いしたいんだけど、どうすればいい?」
「ええ~、やんのお?」
「やるのっ」
「はあ……チクバさんが刻印を押すからあ、その間グリフォンを大人しくさせてね」
そう言って彼女が出してきたのは、先っぽが平べったい鉄の棒みたいなのだった。
「それでどうにかするの?」
「そ、刻印をね、じゅっと、押すの」
先っぽを突き出すようにする。そういえば、マークみたいなのがついてる……あれ? なんか嫌な予感が……。
「か、家畜にするのかよ?」
「洗脳するんだよ」
やっぱり……まあ、そんな優しくいくわけないよね。
「どんなモンスターでもできるのか?」
「刻印を押せれば」
ムーラさんは感心したみたいにうなずいた。
「『神訪人』はやはりすさまじいな」
「別にすごくないよ」
「なんだよっ、いやみかよっ」
いやみじゃないよ、『未来を握り合う手』で助かったことはいっぱいあるけど、手に入れて嬉しかったよりも辛くなったことのほうが多いんだから。
「ん~、グリフォンがどこにいるかもわかるの?」
「もちろん、チクバさんは鼻が利くから」
「それじゃあ……早速行こうか」
スルグさんもこともあるし、時間をかけたくないよね。何より今のままでいけるってわかってるし。
チクバさんはすっと歩き出して、おれたちはそれに続いた。やっぱり、森の方へ向かってるみたいだ。
どれくらい歩いたろうか? 空はどんよりしてるし気温も高くないのに、おれはすっかり汗をかいてる。じゃあ暑いかっていうと、その汗が外の空気と触れ合って冷えて、寒いくらいだ。
「まだあ?」
「疲労」
プリアはともかく、ココイソさんは浮いてるのに疲れるのかな? でも、疲れないってなったら有利過ぎるか。




